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動画共有サイトを通じて広がった「アイマス現象」をイチから叩き込む!

【特別企画】そもそも「アイドルマスター」ってなんなんだ?(前編)

2008年02月25日 18時00分更新

文● 千駄木和弘/編集部 飯塚岳史

伝説は2006年の東京ゲームショウから始まった


 前述したとおり、アイドルマスターは元々アーケード向けとして登場したゲーム。決して一般的とは言えなかったものの、当時からコアな人気を誇るゲームであり、ライブコンサートの実施や関連CDの発売などメディアミックス戦略も行なわれていた。

 そのアイマスがさらなる広がりを見せ始めたのは、2006年9月に千葉・幕張で開催された東京ゲームショウ(TGS)からとなる。TGSの同社ブースで、Xbox 360版アイドルマスターのプロモーションビデオ(PV)が上映され、その後Xbox LIVEのマーケットプレースでも動画の配信が開始された。このPVが動画共有サイトにアップロードされると、ネットユーザーを中心に「ライブ映像が癖になる」と人気がどんどんと上昇。PV内で使われているXbox 360版からの新曲「GO MY WAY!!」のサビのフレーズから、「胡麻和え」(ごまえー:GO MY WAY)という言葉も生まれた。

発売前にマーケットプレースにて配信されたTGSプロモーション映像より。今見てみると実機映像よりフレームレートが低いのが気になりますな


ごまえーに続き、「とかちつくちて」で一挙にスターダムへ


 2007年1月25日に待望のアイマスが発売され、ごまえーも一息付いたと思われる2月初旬。新たなヒット曲が登場した。最年少キャラである双海亜美・真美が歌う「エージェント夜を往く」である。サビのフレーズである「溶かし尽くして」が、どう聞いても舌っ足らずな「とかちつくちて」と聞こえてしまうのがネットユーザーの心を打ち、動画共有サイトのアイマス動画は一時期「とかち」だらけとなる。

とかちつくちて

行き過ぎた「とかち」がコレ。「とかちラーメン大盛り」。9分もの間、「とかちつくちて」がリピートされる天国(地獄)のような動画である

 ちなみにエージェント夜を往くは元々、アーケードからある曲。当時から「とかち」はファンの間でも話題になっていたようだ。なので、「なんでまたいまさら」と不思議に思うアーケード組も少なくなかった。また、これは意図的に歌ったものではなく、収録当時はどうしてもこのような歌い方になってしまっていたらしい。


 後に発売された音楽CDシリーズ「THE IDOLM@STER MASTERPIECE 04」でも、双海亜美・真美による「エージェント夜を往く」が収録されているが、ここでは「溶かし尽くして」ときちんと歌われている。

 なお、同社のアーケード向け音楽ゲーム「太鼓の達人」シリーズの1つに、この「エージェント夜を往く」が収録されているが、カーソルを合わせた瞬間に「とかちつくちて」と表示されるなど、もはやメーカー公認である。


アイマス動画は他曲とのマッシュアップが中心へ


 とかちブーム以後、TV出演シーンを利用したアイマス動画の投稿数が急上昇する。アイマスの曲のみならず、他アーティストの楽曲アニメソングなどと組み合わせた動画が多数投稿され、ネットユーザーに広く、しかし一般的にはやや狭く、アイマスが浸透していった。

ランキング

2008年2月現在でもアイマスを使った動画は増えており、それらの動画の再生数やコメント数などを集計したランキングなども更新されている

 その間にも、Xbox 360版で登場した新曲を収録した音楽CDシリーズ「THE IDOLM@STER MASTERWORK」全4枚の発売や、ゲームには収録されないキャラクター別の新曲を含んだ新音楽CDシリーズ「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST」全11枚が発売されており、またそれらの楽曲を利用した動画が作成されるなど、メーカーとユーザーの相乗効果が上手く成り立っていると思われる。

発売されている関連CDの一部。CD内に収録されている楽曲を使ったさらなる動画の作成なども行なわれている

MASTER LIVE 00

今月13日には音楽CD「MASTER LIVE」シリーズの1本目、「THE IDOLM@STER MASTER LIVE 00」が発売された。2本目の「MASTER LIVE 01」も3月5日に発売予定

 ちなみにこの「MASTER ARTIST」シリーズでは、全てのキャラクターで1万枚以上を売り上げており、音楽CDやライセンス商品などの関連商品、およびゲームソフトを合わせた全体での売り上げ規模は約60億円にまで達している。

PROJECT IM@S

関連商品は「PROJECT IM@S」と呼ばれるメディアミックス戦略の元に、アイドルマスターの世界を構築している

 以上で、アイマスを取り巻く状況というのがぼんやりと分かっていただけたかと思う。メーカーの思う熱意とユーザーが求めるもの、多少のブレはあるだろうが、その2つが動画共有サイトを通じて「動きのあるもの」として広く伝わることで、ゲームのみならずアイドルマスターの世界として広まっていったものと思われる。

 「ネットにおける“アイドルマスター”としての広がりはわかった。でも、実際のゲームはどうなのよ?」という読者に向けて、後編(関連記事)ではゲームに登場するアイドル、およびゲーム概要を紹介していこう。

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