SSDの差額に価値はあるのか?
MacBook Airに搭載されたSSDの性能が気になるという人は、すでに海外のサイトに掲載されたレビュー結果などをご存じかもしれない(関連サイト、関連サイト)。
果たしてSSDは12万1800円(米国では999ドル)という差額を払う価値があるのかどうか? そこが焦点となるのだが、上記サイトにあるようなレビュー結果を見る限りは、とてもじゃないがそんな高額な支出に見合うメリットは見当たらない。むしろお金をドブに捨てるかのような印象を持つ人さえいるかもしれない。
実際、読み書きの速度は大して差がないどころか、場合によってはHDDのほうが高速という結果さえ出ているようだ。バッテリーの持続時間に与える影響も、せいぜい30分程度という報告もある。ただし、起動スピードは相当なものだ。システムの内容によって数値は異なるだろうが、筆者のマシンでは起動音がしてからFinderが表示されるまでは30秒弱しかかからない。
メモリーを2GB、CoreDuoの2GHzを搭載した初代「MacBook Pro」との比較で言えば、Safariなどを使っているときの、ちょっとした間が相当軽減されている印象を受けた。全体のパフォーマンスも体感的に同等か、明らかにそれ以上と感じる。最近のウェブサイトは一昔前と比べると相当マシンパワーを必要とするサービスが多く、負荷がかかるサイトではレインボーカーソルがクルクル回ることが多かったが、MacBook Airではそういった「引っかかり」が非常に少ない。時間にすれば数秒、あるいはゼロコンマ数秒といったところだが、もたつきがほとんどなかった。
ディスクアクセスが頻繁に発生し、それにつられてパフォーマンスが落ちるような作業に対しては、おそらくSSDの威力が発揮されるのかもしれない。ハードディスクがカリカリ言い始めてレインボーカーソルが回るといったケースだ。ストップウォッチ上では微々たる差しか出ないのかもしれないが、SSDモデルはこうしたケースで恩恵があるのだろう。
とはいえ、もし親しい人に相談されたのなら「迷わずHDDモデルをお勧めする」というのが個人的な結論だ。80GBと64GBという容量の差も意外と大きいし、HDDモデルとSSDモデルの価格差に迷ってなかなか踏み切れないくらいなら、なおさらだ。