どうやってキーを叩くかが問題だ!
普段使っているキーボードを見て欲しい。筆者の愛用しているのは、970円で売ってるボロキーボード。キーを叩く力が強いので、1年ぐらい使うと壊れちゃうから、かっこいいキーボードが買えないのだ! 他のライターさんに聞くと、母音やスペースがよく壊れるらしいが、筆者の場合は矢印キーと[2][4][6][8]。
えぇ。原稿書いてて壊れるんじゃくて、ゲームやってて壊れるんですが……。
とまぁ、多少ボロだが皆さんと同じような標準的なキーボードだが、よく観察してみたい。キーストロークは5mm程度。ノートPCだともっと浅く3mm程度カナ?
押す力は、乾電池を置いて測定してみたところ単2電池じゃ軽すぎで押し込まれず、単1だと確実っつーかズボッ!っと押し過ぎぐらいにキーが入る。キーが軽くシポッ!っと入ったのは、単2の上に単3電池を乗せたときだ。
それぞれの重さを量ったところ、単2電池が45gで単1電池が100g、そして単3電池が20gだった。
この実験により、だいたい70g程度かければキーが入り、100gをかけてやれば確実にキーを押せるということが判明!
さて身近のもので、このぐらいの力を出せるものを探したところ、輪ゴムが使えそうだったが、これはスイッチで制御できない。次に思いついたのは、ラジコンなどで使っているサーボだ。
ところがサーボを制御するためには、もう1台のコンピュータを起動して制御するか、ロボット制御用のコントローラを使わねばならず、パソドックには似つかわしくない、ハードボイルドな電子工作になってしまう。そもそも、サーボは応答性が悪いので、
ここのHなセリフは音声で聞きたいっ!
と思ってスイッチを操作しても、時すでに遅し!な~んてことが多発しそうだ。これはエ●ゲーにとって致命傷。いかん!イカン!
そこで考えついたのが、電磁石によるキーボードの操作。電源を入れれば100g程度のものなら引っ張れるし、電源を切れば即キーを離す。
エ●ゲーのキー操作に最適じゃないか! 電磁石っ!
ということで、みるきぃ・CATのアクチュエータ(パワーユニット)は、電磁石に決定! 回路は超簡単で、こんな具合でいいだろう。
なんか小学生の理科を思い出すが、電気的な設計はこれで終了だ。単純にして美しい!
この回路が気になるアナタへ……
スイッチをON/OFFした際にノイズが発生する場合は、スイッチの両端子の間に0.1μf程度のセラミックコンデンサを挟んでください。
さて理科の実験であれば、鉛筆にエナメル線を巻き付け電磁石から作ることだが、世の中には便利なものがある。それが“ソレノイド”という電子部品。
要は電磁石である。電圧をかけると鉄心が吸い込まれ、物理的な力を発生する。20~30年ぐらい前には、大きめのカセットデッキなどでよく使われ、スイッチを押すと“ガシャコーン!”と派手な音をたてていたが、最近はめっきり影が薄い。まだ健在なのは、洗濯機の脱水バルブを開ける装置ぐらいだろう。読者も全自動洗濯機を愛用していると思うが、すすぎ→脱水に切り替わるときに“バゴーン!”って音するでしょ? あれはソレノイドが元気に活躍している音なのだ。
なおソレノイドには、動作電圧が何種類かあるので、必ず12V仕様のものを選ぶこと。こうしておけば、PC内部の12Vをそのまま拝借できる。
問題は、キーは押さなきゃならないが、電磁石は引っ張ることしかできない点。そこでタミヤ模型の「楽しい工作シリーズ」と、ラジコン用サーボを使って、引っ張る力を押す力に変えるテコを作ってやることにした。
こちらも機能としては単純だ。ではさっそく、工作を始めよう!
(次ページへ続く)
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