グループウェアに入力したスケジュールが、紙の手帳に早変わり――。サイボウズグループのフィードパスと帳票ソリューションを手がけるウイングアーク テクノロジーズが、こんなユニークなサービスを2月5日から始めた。両者のSaaS/ASPサービスを組み合わせたサービス連携の第1弾だ。
「みんなに使ってもらえる」手帳出力を皮切りに、サービス連携を推進
「グループウェアのスケジューラに登録した予定をプリントアウトして持ち歩いたり、手帳に転記しているユーザーは意外に多い。新サービスによってこうしたユーザーの業務効率が上がるはず」。フィードパス事業推進本部事業企画グループの石原 悠氏はこう話す。新サービスとは、フィードパスとウイングアーク テクノロジーズが始めた、「サイボウズ Office 7」のスケジュールを手帳サイズのPDFに出力するというものだ。
新サービスの対象は、フィードパスが提供するASPタイプの「サイボウズ Office 7 for ASP」(サイボウズASP)。サイボウズASPの契約者は、スケジューラ画面から専用ボタンを押して用紙サイズを選択するだけで、整形・レイアウトされた予定表(個人月/週表示)をPDFファイルとして出力できる。ユーザーはこれをプリントアウトして切り取って手帳に綴じ込んだり、折りたたんで持ち運ぶ。
この新サービスを実現しているのは、サイボウズASPとウイングアークのSaaS型帳票出力エンジン「帳票SaaS」との間で行なうサービス連携。サイボウズASPはユーザーの操作に応じてスケジューラのデータを帳票SaaSに渡して、帳票SaaS側でPDFを生成する。「帳票SaaSはあくまで黒子。ユーザーは意識することなく利用できる」(ウイングアーク テクノロジーズ サービス&グローバルビジネスス推進室室長の岩本幸男氏)。
ウイングアークでは、帳票SaaSと「Salesforce.com」や「NetSuite」などのSaaS/ASPサービスを連携させた帳票出力サービスを展開していて、新サービスもその一環。だが今回は請求書や納品書といった“伝票”を生成する他のケースと違い、あえて“手帳”出力という一風変わったサービスからスタートした。
「硬い帳票よりも、みんなに使ってもらえる手帳の方がおもしろい」(岩本氏)。
もっとも、「サイボウズで一番使われる機能がスケジューラなので、多くのフィードバックをもらうのに最適だった」(石原氏)との理由もある。両社ではユーザーの反応を見ながら機能を改善するとともに、サイボウズの他の機能に対しても帳票出力の機能を付加していく予定。具体的には、ワークフローやタイムカードなどを検討しているとのこと。
新サービスはベータ版として提供し、7月末までは追加料金なしで利用できる。それ以降の課金や提供方法については未定。また、パッケージ版のサイボウズへの同様の機能の搭載も今後検討する。
「Webブラウザや携帯電話といったこれまでのサイボウズのユーザーインターフェイスに、“紙の帳票”という新たな1つが加わったと思ってもらえれば」と岩本氏は話している。