ネコだまりで鳴くネコ
さらに下ると、自転車は広々とした土手の上に誘導される。
歩く人も走る人もいればベンチでくつろぐ人も猫もいる。ここではどうも定期的に餌をあげている人がいるようで、同じネコたちを何度か見かけた。冒頭の写真の後ろにちらりと見えているダンボールは多分、その猫の家(のつもり)なんだろう。
誰かが勝手に置いたのだ。この辺は土手上が広いのでほかにもネコだまりがあり、猫好きの散歩人を和ませてくれる。
河口に近づくにつれ川幅が広くなり、水鳥の姿が増え、街の雰囲気も変わってくる。
この猫は大師橋で多摩川を川崎側に渡りちょっと海方面へ向かったあたりで見つけた。羽田空港に離着陸する旅客機をまのあたりにできる、そのくらい河口近くだ。
これを撮ったのは真冬で、羽田まで必要に迫られて飛行機を撮りに行ったついで。大きな川沿いはとにかく風が強くて冷たい。特に冬の向かい風はつらいのである。寒いのは顔だけ(顔以外はちゃんと防寒してる)だけど、漕いでも漕いでもスピードが上がらないのは気持ちがなえる。坂よりつらいのは風なのだ。
そういうときに猫を見つけると、反射的に止まり、こうしてぼーっと相手をしつつ休憩である。
偶然の出会いを大切にしたい
最後はちょっとほほえましく、多摩川の下流、六郷土手から少し上ったあたりで撮影したもの。猫好きと一緒に走るとこういうことになるのだ。
多摩川サイクリングロードを走るときは「猫を見つけたらそこで休憩」が基本だ。
筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。
*次回は2月13日掲載予定
この連載の記事
-
第865回
デジカメ
4つのカメラを搭載したサムスン電子「Galaxy S24 Ultra」は猫の顔アップもピシッと撮れる -
第864回
デジカメ
”猫撮影の基本”第3弾! 背景やボケ具合をコントロールするとよりイメージどおりの写真が撮れる -
第863回
デジカメ
”猫撮影の基本”第2弾! 広角と望遠の特性を知って使い分けると写真のバリエーションがぐっと広がる -
第862回
デジカメ
構える高さを工夫すると猫写真は大きく変わる! 新年度なのであらためて猫の撮り方ノウハウをご紹介 -
第861回
デジカメ
10年前に撮った猫とまさかの再会! 数年ぶりに出会っていた猫たちの写真をライブラリーから探し出した -
第860回
デジカメ
膝の上で気持ちよさそうにしている猫を親指シャッターやアクロバティックな体勢で自撮り! -
第859回
デジカメ
富士フイルム「X100VI」は発売前から大人気! 歴代「X100シリーズ」で撮った猫写真を集めてみた -
第858回
デジカメ
ぱぱっと設定できて程良い距離感で猫が撮れる! 富士フイルム「X100VI」は楽しい趣味カメラだ -
第857回
デジカメ
噛んだり、テレビを見たり、眠ったり……うちの黒猫ミルならではの瞬間を狙ってみた -
第856回
デジカメ
望遠に強い「OM SYSTEM OM-1 Mark II」+100-400mmレンズで寝ている猫を“どアップ”で撮影 -
第855回
デジカメ
ロゴが「OM SYSTEM」に変わった「OM-1 Mark II」を持って早速猫撮影へ - この連載の一覧へ