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君はYouku.comを知っているか?

中国IT小話──人気の中国版YouTubeが政府の一声で閉鎖? その真実とは?

2008年02月05日 14時00分更新

文● 山谷剛史

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注目を集めるYouku.comだが、その上手がいた


 中国における動画共有サイトの人気は数字にも現れている。ネットレーティングによれば、中国の動画共有サイトのひとつ「優酷網」Youku.com)の視聴数が1日1億を突破したという。また同サイトは1月30日にアメリカのメディアAlwaysOn OnMediaが選出する「世界の100サイト」のひとつに数えられた。

 そうなると「優酷網は中国のYouTubeなのか!」と思うところだが、その優酷網よりももっと人気のサイトも存在する。

土豆網 我楽
土豆網我楽

 例えば百度の独自調査ではトラフィックの多い動画共有サイトで、1位より「土豆網」(全体の22.18%)、「我楽」(同19.98%)、「優酷網」(同13.92%)となっている。つまりは優酷網よりもさらに人気のサイトが2サイトもあるのだ(関連エントリー)。

 またAlexaにおいては、2007年末の時点で「酷6網」(世界で143位)、「優酷網」(同146位)、「我楽」(同155位)、「土豆網」(同165位)となっていて、こちらも優酷網が特別トラフィック量の多いサイトではない様子。このような著名なサイトが最近立ち上がったのは、外国企業が広告収入を目当てに、中国の動画共有サイトに資金を投入したことが背景となっている。



この状況に待ったをかける中国政府


 かくも中国で人気の動画共有サイトだが、昨年末に中国政府が「待った」をかけた。「IT省」こと信息産業部と、中国のテレビ・ラジオ・映画などのメディアコントロールを行なう「国家広播電影電視総局」(略称広電総局)が共同で、昨年末となる12月26日に、動画共有サイトのあり方について定めた「互聯網視听節目服務管理規定」(意訳すれば、インターネット動画コンテンツ提供サービス管理規定)を発表したのだ。

 要点だけ書くと、「国営企業以外は動画サイトを運営することはできない」ということ。「中国」で「IT担当省」と「メディアコントロール担当局」が絡んで「動画共有サイトの規定」とあれば想像つくだろうが、中国政府が意図するのは「これからは動画共有サイトもコンテンツを監視するよ」ということと思って間違いはないだろう。

 また念を押すように、今年に入って1月8日に、中国版権保護中心(意訳すると、中国著作権保護センター)が中心となり、百度や人民網などの動画配信サービスを行なう50社が参加する「中国正版電影網站聯盟」(中国正規版映画サイト連盟)が結成された。建前上、海賊版動画コンテンツの撲滅を目的に掲げているが、本音は、中国政府がよろしく思っていないコンテンツを配信しないようにする枠組みを構築したと考えていいだろう。

 そういったことは、この結成の発表会のときに、それを匂わせる発言が、同聯盟のコメントで出たことからも予想できる。「DVDを2008年までに生産中止する!」と高々に宣言してぜんぜん宣言どおりにならなかった中国独自企画のEVDメーカー連合とは異なり、組織の中に中国政府機関が入っているので、この組織は言うだけでなく、それなりに動くだろう。


 EVD-Enhanced Versatile Disk。著作権保護機能を備え、DVDメディアにハイビジョン記録できることが売りの中国独自規格。製品は発売されたものの、まったく売れていないどころか、EVD陣営のメーカーが、いまだにDVDプレーヤーを販売するなど”宣言違反”が行なわれている。

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