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三好康之氏が指南!! IT業界を生き抜くためのキャリアパス&取るべき資格 第2回

三好康之氏のすすめる SEの取るべき資格一覧

2006年07月20日 00時00分更新

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ITコンサルタント
必須ITコーディネータ☆☆☆☆☆
一歩先行くために情報処理 システムアナリスト☆☆☆☆
中小企業診断士☆☆☆☆
情報処理 システム監査☆☆☆

SEの到達点は、ひとまずITコンサルタントだろう。ほかに、システム監査人や、ソフトウェア開発企業の経営者という方向もあるだろうが、いずれにしても必要な知識はそう変わらない。一言で言うと、”経営とITの融合”である。真の意味で経営に寄与する情報化を考えなければならない。

 プロジェクトマネージャの”次のステップへの準備”のところと矛盾するが、この立場で必須なのは「ITコーディネータ」である。「ITコーディネータ」は、正に経営とITを融合するための方法論を提供してくれる。矛盾する理由は、①SEのキャリアプランで考えた場合、チャレンジするのは「システムアナリスト」になる点と、②「システムアナリスト」は難易度が高く、必ずしも努力したから取得できる資格ではないという点である。そのため、ITコンサルタントという立場になったら、「システムアナリスト」を継続して狙いつつ、当面、「ITコーディネータ」を先に取得するという選択肢になることが多いだろう。

 後は、経営面の知識向上を目指して「中小企業診断士」を目指すと共に、切り口を変えて監査の視点を身につけるために「システム監査」を目指せばいい。

プロジェクトマネージャ
次のステップへの準備情報処理 システムアナリスト☆☆☆☆
必須情報処理 プロジェクトマネージャ☆☆☆☆☆
一歩先行くためにPMP☆☆☆

 プロジェクトマネージャの立場にいる人は、当然だが、プロジェクトを成功させることが最大の使命になる。そのためには、KKD(経験・勘・度胸)のみでプロジェクトを進めていてはいけない。納期遅れや品質の悪いシステムを導入すると、ベンダー担当者の一生を狂わしてしまうことになりかねない。それだけ責任が大きいということである。

 プロジェクト管理で重要なのは、計画段階でいかに潜在するリスクをピックアップできるかという点である。しかし、これは未経験者には不可能である。また、失敗経験の多さで、リスクを知るようになってもらっても困る。だから、資格取得を通じて、どういったリスクがあるのかを擬似経験しておかなければならないのである。それには情報処理試験のプロジェクトマネージャは最適である。そして一定の経験を積んだ後、PMPにチャレンジしよう。

 最後に、次へのステップについて説明しておく。プロジェクト管理を経てある程度実績を積み上げていくと、自社でも顧客先でも経営面を意識した情報化を考える立場になる。年齢から見ても、いい年をして経営面の知識がないということはお粗末である。そこで、次のステップに備えて、システムアナリストの学習を始めておこう。

SE
次のステップへの準備情報処理 プロジェクトマネージャ☆☆☆☆
必須アプリケーションエンジニア☆☆☆☆☆
一歩先行くために情報処理
テクニカルエンジニア(データベース)
☆☆☆
情報処理
テクニカルエンジニア(ネットワーク)
☆☆☆
情報処理
テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)
☆☆☆
各種 ベンダー資格(上位資格)☆☆☆

 SEとして要件定義や設計を行うようになると、幅広い視野が必要になる。かつては「私は専門外ですから、ネットワークはわかりません」といっていた時代もあるが、もはや、ネットワーク、データベース、情報セキュリティの3技術は、SEとは切り離せない技術になってきた。そのため、「アプリケーションエンジニア」に加えて、情報処理のテクニカルエンジニア系3種類は取得しておきたい。よく勘違いされるが、情報処理試験のテクニカル系は、製品特化されない基礎知識しか問われていない。そのため、この程度の知識は、各分野の専門家ではなく全体を統括するSEにこそ必要なレベルなのである。ネットワークやデータベースを専門としている技術者にはものたりない。

 そして、次のステージに備えて、プロジェクトマネージャの学習を始めよう。ただし、小規模プロジェクトなどを普段担当しているSEは注意しなければならない。設計とプロジェクト管理の両方を行っている場合には、プロジェクトマネージャとしての立場もあるわけだから、一刻も早くプロジェクトマネージャが必要になる。

 最後に、プログラマのときにベンダー資格にチャレンジしていた場合、その上位資格も引き続き狙っていこう。

プログラマ
次のステップへの準備アプリケーションエンジニア☆☆☆☆
必須情報処理 基本情報技術者☆☆☆☆☆
情報処理 ソフトウェア開発技術者☆☆☆☆☆
各種 ベンダー資格(入門~)☆☆☆

 プログラマとしてスタートするときは、先輩や上司がいろいろ丁寧に教えてくれる。失敗してもカバーしてくれるだろう。新人の特権というやつである。だから、仕事をしながら今必要な知識を身につけていくことが許される唯一のポジションだと考えてほしい。

 今必要な知識は、基礎知識となる「基本情報技術者」と、「ソフトウェア開発技術者」である(後者のほうが難易度が高い)。今、一般的に認知されているのは、「ソフトウェア開発技術者」の資格を持っていれば、一応、基礎知識はOKという点である。だから、少しでも早い段階でここまでは欲しい。

 そして、次のステップに備えた学習を始める。それが「アプリケーションエンジニア」である。SEとして要件定義や外部設計を自分がリーダとなって行うときに、知識のないまま見よう見まねでやられると、ユーザに多大な迷惑をかけることになる。しっかりと準備して、自信を持って次のステージへいけるように頑張ろう。

 また、必要に応じて(自分の担当する言語、製品に関しては)、ベンダー資格にチャレンジするのもこの時期である。そのため、関わった製品の継続的スキルアップを目指して貪欲にチャレンジしていこう。但し、取得にも維持にもコストがかかるので会社のサポートがないと厳しい。そういう場合でも勉強だけは続けるようにしたいところだ。そして、資格は個人のものという点を意識して自己投資することをお勧めする。

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