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1日10本から15本の番組を配信

「赤字を出せないが儲けられない」というジレンマを抱えるNHKのネット配信

2008年01月29日 20時33分更新

文● 編集部 広田稔

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 1日10本から15本の番組を、翌日から1週間以内に配信する──。

 総務省が29日に開催した「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の31回会議にて、NHK総合企画室兼マルチメディア局副部長の元橋圭哉氏が、NHKの有料ネット配信についての現状を報告した。

 「NHKのネット有料配信」は、昨年12月の放送法改正を受けて、1月に明らかになったもの。見逃した人向けの番組の再放送や、過去の人気タイトルの配信を行なう。元橋氏によれば、サービスのスタート時期は12月になるようだ。

「ネット配信に必要な経費などを2008年度予算に提出し、これが首尾よく通ってくれれば『アーカイブスオンデマンド』を構築できる。予算を執行できるようになってから準備をするので12月くらい」

 コンテンツの視聴はウェブブラウザー上で行なう。元橋氏は、すでに番組のネット配信を始めている英BBCを引き合いに出してこう解説した。

「BBCでは専用プレーヤー『BBC iPlayer』をダウンロードさせて視聴するという環境を整えているが、私どもはPCやネット接続が出来るテレビ、将来的にはモバイル端末も含めてコンテンツを作っていきたい」

 有料配信については、以下のように述べた。

 「BBCはネット配信も受信許可料内ということで、無料で提供している。私どもの中でも、『受信料を払ってもらっている人に無料で見てもらいたい』という意見の一方で、『ネットに接続できる環境を持っていない人もいて、不公平感があるから有料にすべきでは』などといろいろな議論があった。

 結果的には受信料をネット配信につぎ込むことなく、独立採算でやれということになった。悩ましいのは、独立採算なので赤字を出せないけど、公共放送なので儲けてはいけないということ。タイトロープを渡る体制を迫られているという状態」

 ちなみにBBCの財源は、国がテレビ所有者から徴収している。無料にしたくても、なかなかできない。NHK内部にも複雑な事情があるようだ。


初出時、発言者の名前が誤っておりました。お詫びとともに訂正させていただきます(2008年2月5日)


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