ユーザーも社員も大切にする会社を目指す
あれこれ盛りだくさんなオフィスだが、広報の小林さんは社員のモチベーションを高めるためには、単純な効率だけではなく、有効な仕事をどれだけこなせるかが重要になってくると話す。
「効率だけではなく有効性に焦点を当てると生産性も上がります。社員同士がコミュニケーションが取れると仕事がかえって効率化したり、アイディアが出やすくなり、社員のモチベーションアップにもつながります。雑談からサービスが生まれることも多く、いつでも誰でもサービスに対する意見が出せるシステムがあることが大事だと思うのです。トップダウンではなく、ボトムアップな社風ですね」(小林さん)
サイトのmixiも「居心地が良く、穏やかな気分になり、コミュニケーションしやすいサイト」を目指し、丸く柔らかなイメージと色でユーザーに受け入れられたが、オフィスでも同じなのだそうだ。
「居心地のいい空間を作ることで、社員を大切にしていることを伝えようとしています。サービスでも社員でも人を大切にしたいというのがmixiのコンセプトなのです」(小林さん)。
ミクシィといえば、昨年、米リンデンラボの3D仮想空間「Second Life」(セカンドライフ)内に新卒募集用サイトや新卒用オフィスを作ったことが話題になったが、新卒採用にも力を入れている。今回のオフィスを見て働きたいと思う新卒生もいるそうで、その意味でもオフィスは立派に役割を果たしていると言えるだろう。
ちなみに、オフィスを現在の場所にする決め手となったのは、スタッフアンケートだったそうだ。笠原社長自ら、全社メールで社員全員にアンケートを送ったという。
実際に移転してみて感想も「駅から前ほど近くはないが、他の企業がなくて落ち着いているし、眺めが良く好評だ」と小林さんは言う。社員の意見を大切にするミクシィらしさが現れたエピソードと言えるだろう。これからも、ミクシィのユーザーや社員を大切にする姿勢は残しておいてもらいたいものである。