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何が問題なのか? その経緯と論点を整理

コンテンツフィルタリング原則化で、「モバゲー」が規制されるって知ってました?

2008年01月23日 22時00分更新

文● 広田稔(編集部)

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誰がフィルタリングの「善悪」を決めるのか


 では、ケータイフィルタリング原則化の何が問題なのだろう。シンポジウムでは、「フィルタリングするコンテンツを、誰が決めるのか」という論点が出た。

 現状、ホワイトリストやブラックリストはケータイ事業者側が決めていて、ユーザーがカスタマイズできない。岸原氏は、フィルタリングは悪いものは何でも制限できる「魔法の杖」ではないと強調する。

岸原孝昌氏

岸原孝昌氏

 「フィルタリングする項目は、個人個人が判断するのが基本。フィルタリング業者は、フィルタリングのルールを決める際に、サイトを分類するだけで、善悪を判断しているわけではない。また、国が何をフィルタリングするのかを判断すると、検閲と同じになってしまう。最終的には個人個人がカテゴリー分けを考えなければいけない。1億人ユーザーがいたら、1億通りのポリシーがあってしかるべきだ」(岸原氏)


 岸原氏によれば、衆議院の青少年委員会や各政党を含めて多数の議事録を調べたが、何をフィルタリングするのかという議論がまったくなされていなかったという。

 コンテンツフィルタリングソフトを提供しているデジタルアーツ(株)代表取締役社長の道具登志夫氏も「どのコンテンツを見たいか/見たくないか、見せたいか/見せたくないかは、国でも行政でもなく、消費者が決めるべき」と話す。

道具登志夫氏

道具登志夫氏

 「テレビでは子供に見せたくない番組が映ったら、親がチャンネルを変えると思う。ケータイやパソコンは、常に親がいるわけではないから、見てもいいものだけ映るようにする。フィルタリングソフトは本来、そうした目的で使われるもので、ひとつのカテゴリー全部を見せなくするためのものではない」


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