このページの本文へ

松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第11回

電話もかけられるゴールドカード「W55T」

2008年01月19日 00時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

胸ポケットにしまってください


 カードがこれからの生活に重要になる。そんな時代において、このW55Tが意識しているのは、完全にクレジットカードだ。写真のゴールドのほかに用意されている本体色は、シルバーやブラックといった、クレジットカードのヒエラルキーそのもの(色のチョイスにあたって審査はないのでご安心を)。

金の質感の高さ

金の質感の高さに驚かされる。ボディーの表面には傷がつきやすいので、ジーンズなどの固めの衣類に入れるときには注意しよう

背面ディスプレー

LED付きの背面ディスプレー。端末の開閉などに応じて、ちょっとしたピクトアニメーションや時計を表示してくれる

 W55Tは薄さをアピールしながら、デザインのちょっとしたところに「クレジットカードっぽさ」をちりばめているところが面白い。

 例えば、本体の角は丸く落とされている。クレジットカードにならったという理由もあるだろうが、おかげでスーツやシャツの胸ポケットにもすっと入りやすいというメリットが生み出されている。

 しかもシャツに入れたとしても薄くて軽いので、服のラインへの影響も最小限。「身に着けるように持ってください」というアフォーダンスを感じる。



シートキーなのに、固くない


 端末の幅が54mmというのも、クレジットカード譲りの特徴だ。

 54mmは、最近のケータイにしては幅広の部類に入るため、賛否が分かれるかもしれない。個人的には、極薄のボディーを適度な力で握るためには、むしろ幅広の方が持ちやすいと感じた。

 薄くて幅もない端末では、片手でグリップしながらボタンを押すときに、なかなかバランスをつかみにくいことがある。W55Tでは、ベストな押し心地をすんなり得られて、目から鱗だ。

 このコラムではあまり評判がよくないシートキーも、ネガティブな要素ではなくなってきた。W55Tも薄型を実現するためにシートキーを使っている。しかし、幅広でグリップしやすい上に、シートキーも硬すぎず、かつクリック感を残しているという、とてもいいチューニングになっているのだ。

シートキー

このシートキーは使いやすい! 柔らかいがクリック感があり、端末の幅が広めなのも功を奏している

待ち受け画面

待ち受け画面までカードっぽい。プリセットの壁紙、時計や電池、電波強度など、クレジットカード風のフォントで表現してくれる

 そしてメニュー画面などの動作も非常に軽快に反応してくれる。入力インターフェースと画面インターフェースの連携が最高で、しかもこの超薄型端末に「触れる」ように操作できるモノとしての魅力が存分に発揮されていると言える。

 そしてプリセットの待ち受け画面が極めつけで、クレジットカードの券面にある、後ろからパンチで打ち出された数字とアルファベットを模したデザインになっている。

 ちゃんとICチップやホログラムの部分までデザインに含められていて、ついつい端末を開くたびに「にんまり」してしまうほどの統一感だ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン