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ドメイン名が変わる ―― トップレベルドメイン名の国際化がいよいよ現実に

2008年01月18日 19時30分更新

文● 編集部

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トップレベルドメインが日本語化する意味


 現状で、ドメイン名は単なる文字列としか見られていない。そのため、例えばトップレベルドメイン名のように既存の文字の中から選ぶ場合には、単純に語呂で選んでしまうということが普通に行なわれている。

 しかし、深く考えずにトップレベルドメインを選んでしまうと、ドメイン名でトラブルがあったときに痛い目を見ることがある。その理由は、トップレベルドメインは、その名前ごとに異なる組織や会社に委任され(この委任をされた組織を「レジストリー」と呼ぶ)、それぞれが異なるポリシーによって管理・運用されるからだ。具体的な一例を挙げると、日本を表す「.jp」は日本レジストリサービス(JPRS)に、「.com」は米国ベリサインに委任され、それぞれが独自にポリシーを策定し、その運用管理を行なっている。

 ここで、例えばドメイン名紛争が起こったとしよう。そのとき、「.jp」では日本知的財産仲裁センター(関連リンク)に申し立てを行なうことになっているが、「.com」や「.net」など海外のドメイン名の場合は世界知的所有権機関(WIPO)など、ICANNが指定する調停組織に申立を行なうことになる。仮に、紛争が裁判まで持ち込まれることになると、海外のドメイン名ではそのレジストリーが指定する裁判所で戦わざるを得なくなる。その際には、異なる文化と法律、そして現地の言葉というのが大きなハードルになるはずだ。



フィッシング対策にも効果


 また、利用者の立場から見ると、そもそもサイトにさまざまなトップレベルドメインが使われているために、ドメイン名に対する関心が低くなってしまういとう問題が起こりやすい。フィッシングにしても、ジャンプする先のドメイン名やセキュリティー保護の状態などを確認すればある程度は防げるはずだが、そうした意識を持つのが難しくなってしまっている。

 トップレベルドメイン名の国際化は、トップレベルドメインが国や地域を示すものであるということをより直感的にする。また、国際化ドメイン名が浸透すると、ドメイン名が持つ階層の意味が分かりやすくなるというメリットを生み出す。例えば「ascii.co.jp」と「アスキー.会社.日本」のどちらが初心者にとってわかりやすいかを考えると、その意味を捉えやすい。

 国際化ドメイン名が一般的になれば、現状でドメイン名が単なる文字列だとしか見えていない人に対して「こんな意味があったのか」と気付かせる効果もあり、結果として、利用者が自分がアクセスする先に関心を持つようになるのではないだろうか。この、意識の向上はフィッシング対策などにも効果があるかもしれない。

 日本語によるドメイン名は、日本人にとってより直感的なドメイン名となる。Internet Explorer 7やFirefox、Operaといったウェブブラウザを使用していれば、そのまま日本語ドメイン名が使えるので試してみるといいだろう。

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