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2008年01月18日更新

第9回 よいマッシュアップへと導くキホン中のキホン

文●中山康照

 かつてニュートンが「巨人の肩に乗っているおかげで遠くを見ることができる」と言ったように、私たちはこれまでの文明の蓄積の上で生活しています。進歩の早いITの世界も同様に、現在のIPやRDB(リレーショナルデータベース)、オブジェクト指向といった10年以上前に生まれた技術の蓄積によって成り立っています。そのことから、今回のテーマである「マッシュアップ」に対し、「ありものを組み合わせて作るだけ」というステレオタイプなネガティブイメージではなく、「技術や環境の蓄積を生かす」というポジティブイメージを持つことをおすすめします。

マッシュアップ

 ここでいうポジティブイメージ持つということは、「よいマッシュアップができる」可能性に通じます。たとえば「Netvibes」というサイト。このサイトのサービスは、パーソナルなポータルを作れる(デフォルトでさまざまなサイトのAPIを組み込んだ形で提供されている)というものです。これは、サイトの開発者に「蓄積を生かす」というイメージがあったからこそ、さまざまなAPIを活用して初心者にも使いやすいポータルを作ることができたのだと推測できます。

 マッシュアップにおいては技術や環境の蓄積を生かすというポジティブなイメージを持つことに加え、「サービスを活用する」という意識もつねに併せて持つとよいでしょう。たとえば、自分の本棚を紹介する「本棚.org」というサイト。「こんな本だけを集めてみた」というような個性的な本棚がたくさん登録されています。他人の本棚を覗いてみたい気持ちは本好きによくある嗜好ですが、いちいち表紙をスキャンして載せるのは面倒なものですし、書名などを入れるのも大変です。そこで、大きな存在であるAmazonなどの書籍データベースを利用して、ISBN番号などの入力で書籍の表紙などの情報を持ってこられるようにした、という発想がそこにはあります。

 このようにすでに提供されているサービスを活用するという意識を持つことは、外部環境に対しての適応として、とても面白いサービスを生み出すチャンスにつながる可能性があります。森で小さな生物が大きな植物の果実や幹、枝を食料にしたり、巣を作る材料にしてまく利用しているように、インターネット上では、すでにあるソースをマッシュアップによって取り込むことにより新たなサービスを生み出すことが可能になります。もちろんそのためには、大前提として、基本的な技術や理論の習得を疎かにしてはいけないことを強調したいと思います。

Illustration:Aiko Yamamoto

●バックナンバー
第1回 IT技術を考える~ECMAScript~
第2回 エンジニアの成長を助けるビジネススキル~PDCA~
第3回 しっかり稼げてヤリガイあり~新インクリメンタル型開発~
第4回 自分のことってわかってる?~生産性を考える~
第5回 テクニックは人に見せないと!~コードレビュー~
第6回 世にあふれるビジネスノウハウに混乱するな!~KISS~
第7回 革新的なサービスを生む源~インターフェース~
第8回 成長のチャンスを逃がしてませんか?~現場の機会を考える~

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