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NVIDIA、Hybrid SLI技術やGeForce 8200チップセットなどの詳細を説明

2008年01月16日 23時10分更新

文● 編集部 小西利明

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 エヌビディア(株)(以下NVIDIA)は16日、東京都内にて記者説明会を開催し、7日(現地時間)に発表されたチップセット「nForce 700a」シリーズと、同チップセットに搭載された「Hybrid SLI」技術(関連記事)についての説明を行なった。また、米AMD社のCPU向け新チップセット「GeForce 8200」についての説明も行なわれた。


GPUとmGPUを切り替え省電力化 Hybrid SLI

nForce 780a SLIを搭載する「M3N-HT Deluxe」

Hybrid SLIに対応する「nForce 780a SLI」チップセットを搭載する台湾ASUSTeK社のマザーボード「M3N-HT Deluxe」

 Hybrid SLIとは、チップセット内蔵グラフィックス機能(以下mGPU)と、グラフィックスカード上のグラフィックスチップ(以下GPU)を組み合わせて、グラフィックスパフォーマンスを向上させたり、消費電力を低減させる技術をまとめた呼称である。パフォーマンス向上の技術は「GeForce Boost」、消費電力低減の機能は「Hybrid Power」と呼ばれる。

 現時点でHybrid SLIに対応するのは、チップセットがnForce 700aシリーズ(780a SLI、750a SLI、730a)と後述するGeForce 8200、GPUがGeForce 8500 GTとGeForce 8400 GSとなっている。ただし、すべてのチップセットやGPUでHybrid SLIの全機能が使えるわけではなく、nForce 730aとGeForce 8500 GT/8400 GSは、Hybrid Powerには対応しない。

Hybrid SLIの2大機能をサポートするチップセットとGPU

Hybrid SLIの2大機能をサポートするチップセットとGPU

Hybrid Powerは特にノートパソコンで役に立つ機能だ

求める処理能力と消費電力に応じてGPUのオンオフを切り替えるHybrid Powerは、特にノートパソコンで役に立つ機能だ

 Hybrid PowerはPCの動作状況に応じて、グラフィックス性能が必要な時にはGPU側で描画を行ない、消費電力を減らしたい時には、GPUをオフにしてmGPUだけで描画を行なう機能である。例えば、Windows Vistaのユーザーインターフェース表示程度の負荷であればパフォーマンスはあまり必要ないので、GPUをオフにした方が消費電力は減るし、GPU冷却ファンの回転を止めて低騒音化もできる。一方で、3D性能が必要な場面ではGPUをオンにすることで、mGPUでは実現できない快適なグラフィックスを実現できるというわけだ。特にノートパソコンでHybrid Powerが可能になれば、高性能とバッテリー駆動時間を両立する優れたソリューションとなりそうだ。なお、GPUオンオフの切り替えはWindows上のソフトウェアから手動で行なう。

「Hybrid Power」の概念図

「Hybrid Power」の概念図。パフォーマンスが必要な時はGPUで、低消費電力が求められる時はGPUをオフにしてmGPUで描画する

Hybrid Powerのブロックダイアグラム

Hybrid Powerのブロックダイアグラム。GPUで描画された映像は、いったんmGPU側のフレームバッファにコピーされた後に出力される

Hybrid Powerの切り替えを行なっている画面

タスクトレイのアイコンから、Hybrid Powerの切り替えを行なっている画面

Hybrid Powerの切り替えによる消費電力変化を計測したグラフ

Hybrid Powerの切り替えによる消費電力変化を計測したグラフ。ピーク時は120W以上あった電力が、切り替え後には54Wまで下がっている

 対応PCでは、ディスプレーはmGPU側に接続される。GPUで描画を行なう場合、GPU側のローカルフレームバッファ上でレンダリングされた画像は、PCI Expressを通じてmGPU側のフレームバッファ(システムメモリー)にコピーされ、mGPUの映像出力を通じて表示される。そのためGPU単体で描画から映像出力まで行なう場合と比較すれば、わずかにタイムラグが生じる可能性がある。この点について、Hybrid SLIの詳細を解説した米NVIDIA社 MPCテクニカル・マーケティングディレクターのトム・ピーターソン(Tom Petersen)氏によれば、「クリティカルパスはどれくらい前のフレームをレンダリングするかにある」と述べた。ソフトウェアの設計次第で遅延を隠蔽できるということであろうか。

 一方のGeForce Boostは、GPUとmGPUの両方でグラフィック描画を行なうことで、描画パフォーマンスを向上させる機能である。GPUとmGPUで別々のフレームを描画する「AFR」(Alternate Frame Rendering)方式で描画を行なう。これはGPUを3基使う「3-way SLI」と同様だ。ピーターソン氏の説明によれば、GPU側のローカルフレームバッファで描画された画像を、mGPU側のフレームバッファにコピーして表示を行なう点はHybrid GPUと同様のようだ。

GeForce Boostのブロックダイアグラム

GeForce Boostのブロックダイアグラム。説明ではGPU側の描画内容はmGPU側にコピーされるとのことだが、ディスプレーはどちらにも接続できるとのコメントや図もあり、mGPU側フレームバッファの内容をGPU側にコピーすることもできるのだろうか

 当然ながら、GPUを2~3個使うSLIや3-way SLIと比べればパフォーマンス向上は限定されたものとなるだろうが、低コストのmGPUシステムでもGPUを追加することで、GPU単独より優れたパフォーマンスが発揮できるとすれば、興味深いソリューションと言えよう。


1チップでDX10 GPU+SLIチップセット GeForce 8200

GeForce 8200を搭載するギガバイトの「GA-M78SM-S2H」

「GeForce 8200」チップセットを搭載する台湾ギガバイト社のマザーボード「GA-M78SM-S2H」との型番が見える

 nForce 700aシリーズと並ぶもうひとつのAMD向けチップセットが、「GeForce 8200」である。GeForce 8000シリーズと同じアーキテクチャーのDirectX 10対応のGPUコアを内蔵した統合型チップセットで、同じDX10対応GPUコアを備えるnForce 700シリーズよりも、低価格のシステムをターゲットとしている。なお、GPUコアが内蔵するシェーダープロセッサーの数や動作クロックといった詳細スペックは公開されていない。

GeForce 8200のブロックダイアグラム

GeForce 8200のブロックダイアグラム。1チップでGPU機能とI/Oコントローラーを兼ねている

 GeForce 8200はDX10世代GPUの必須機能と言える、ハイディフィニション(HD)映像のデコードアクセラレーション機能「PureVideo HD」を内蔵する点を大きな特徴としている。説明会で示されたスライドでは、PureVideo HDのないPCでBlu-rayディスクやHD DVDなどの再生を行なうには、CPUにPhenom 9500クラスが必要で、価格は200ドル(約2万1200円)、再生時消費電力も130Wにもなるのに対して、PureVideo HDありのPCなら、CPUは50ドル(約5300円)程度のAthlon 64 X2 3800+で済み、消費電力も85W程度であると示し、低価格で低消費電力なHD映像再生環境を実現できるとしている。

 GeForce 8200はCPUとのシステムバスがHyperTransport 3.0に対応。現行および将来のPhenomシリーズのほか、Athlon 64/64 X2/64 FXなどに対応する。GPU接続用にはPCI Express 2.0対応のx16を1系統備える。前述のHybrid PowerやGeForce Boostにも対応している。搭載マザーボードなどは、今年第1四半期には登場するようだ。

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