Windows LiveやSilverlight、Xbox 360の話題も
基調講演で語られたのは未来の話ばかりでなく、現在のサービスについての話題も取り上げられた。
たとえばソフト+ウェブサービスの「Windows Live」の最新版デモが披露された。デモでは、カレンダーで家族のスケジュールを共有しながら、自分のポータルから関連する相手にスケジュールの予定をメールで通知する、この一連の作業をウェブサービス上で実現していた。
また、ウェブベースのリッチコンテンツを実現するプラグイン「Silverlight」を使ったサービスとして、米国の放送事業者であるNBC Universal社と提携して、北京オリンピックの映像をSilverlightを使ったウェブサービス「NBCOlympics.com」で提供することが発表された。マイクロソフトのリリースでは、「First“Long-Tail”Olympics」と記されているとおり、オリンピックの中継映像をオンデマンドで配信、視聴できるサービスとなるようだ。ユーザーの志向に合わせて、応援したい選手の映像を見られるようにカスタマイズもできるという。
ライバルの激しい追い上げを受けているとはいえ、北米では引き続いて好調な家庭用ゲーム機「Xbox 360」についても、特にネットワークサービスに関する発表があった。まず、米Disney-ABC Televisionグループや米MGM Studiosが保有するテレビドラマや映画を、Xbox Live向けに有料配信すると発表された。
そのほかに、英BT GroupがIPTV用セットトップボックスとして、Xbox 360を採用したとの発表もなされた。
また、競合製品の影に隠れて今ひとつパッとしない印象のぬぐえない携帯オーディオプレーヤー「Zune」についての説明とデモも披露された。2007年10月にスタートした、Zuneを軸にした音楽SNS「Zune Social」のコミュニティー機能を実演したほか、米国に続いてカナダでも2008年春から販売を開始するという。SNSなどウェブサービスとの連携を軸に、巻き返しはなるだろうか?
最後はなぜかGuitar Heroで対決!?
一通りの講演が終わった最後には、また笑いを呼ぶイベントが待っていた。ゲイツ氏がバック氏に貸した20ドルを巡って、なぜか2人が米アクティビジョン社の人気音楽ゲーム「Guitar Hero III」(Xbox 360版)で対決することになったのだ! ゲーム用のギター型コントローラーを抱える2人に会場は爆笑。
ところが、2人が自分で演奏するのかと思いきやさにあらず。バック氏はGuitar Heroの大会で優勝したという女性を壇上に招き、自分の代わりに対戦させようとしたのだ。ノリノリで演奏を披露する女性。
ここでゲイツ氏が自力で対決したりすると面白かったのだが、流れ出たスモークと派手な電飾と共にステージの一角から現われたゲイツ氏の代打は、なんとロックバンド「Velvet Revolver」のギタリスト、スラッシュ氏! プロを呼ぶのは反則でしょう(笑)。会場は大爆笑である。
おかしな対決で幕を閉じたゲイツ氏最後の基調講演だったが、笑いと共にデジタル技術の近未来像を見せる内容は、マイクロソフトの代表という立場を超えた、ビジョナリーとしてのゲイツ氏の面目躍如、と言っても過言ではあるまい。そんなゲイツ氏が去ったあと、CESの開幕基調講演を務めるにふさわしい人物はいるのだろうか?