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松岡美樹の“深読みインターネット” 第5回

「アウトプット」の数だけ「インプット」があるネットの不思議

2008年01月11日 17時00分更新

文● 松岡美樹 イラスト●さとうゆり

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結論のない文章は議論を巻き起こす


 さて、私が意図的に結論を出さない理由の2つめは、議論を巻き起こしたいからである。

 記事中に答えが書いてあると、読み手は「ほうほう」と感じただけで素通りしてしまう。逆に文章で結論を出さなければ、みんなは自然に自分の考えをしゃべり出す。

 ひとりの「専門家」が答えを出すよりも、みんなで考えたほうが多様なものの見方が拾える。また、そんな世の中のほうがエキサイティングだと私は思う。

 こうして「みんなに聞いてみる」と、たくさんの人からいい知恵が集まる。まず第一に自分のためになる。

 またいろんな意見が寄せられるブログのコメント欄やトラックバック、あるいは私の記事についたSBMのコメントを読んでいる人の役にも立つ。

 情報の送り手と受け手双方に、Win-Win型(両者にメリットがある形)のコミュニケーションが成立する。

 夜中にひとり、机の前でウンウンうなっていても始まらない。自分の中ではまだ不完全な考え(文章)も、とにかくブログでアウトプットしてみる。

 で、みんなに聞くのが早いのだ。


松岡美樹(まつおかみき)


文筆家、ネットメディア・アナリスト。ブログやmixi、ソーシャルブックマーク(SBM)などのネットメディアを利用する人間の心理分析や、ネット上で起こる炎上などの社会現象・ブームの分析に定評がある。著書に『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』(RBB PRESS/オーム社)など。自身のブログ「すちゃらかな日常 松岡美樹」も運営している。

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