初音ミクを利用した楽曲の「着うた」配信に関係した問題で、(株)ドワンゴ・ミュージック・パブリッシング(以下DMP)と、クリプトン・フューチャー・メディア(株)が共同コメント(関連ページ)を発表した(関連記事1、関連記事2)
共同声明では「両者が足並みをそろえ、独自の主張を行なわない」こと「着うた配信が円滑に行なえるように、音楽データ制作者との契約締結を早急に進める」こと、「今後の配信に関してはデータ制作者との契約締結を事前に行なう」ことなどがうたわれている。
ここでは「初音ミク」および同ソフトウェアで作成した楽曲の権利関係に関しても整理された。
- 初音ミクというキャラクターの著作権 → クリプトン
- 初音ミクという名称に対する商標権 → クリプトン
- 初音ミクで作った音楽データ(原盤)の権利 → 音楽データの制作者
- 初音ミクが歌っている楽曲の権利 → 楽曲の作詞/作曲者
(3)や(4)の権利を制作者に代行して行使する会社は、制作者の意思で決められるようにする。DMPが「初音ミク」の名前を引用して着うた配信を行なう場合は、商標権を持つクリプトンと音楽データの制作者(またはその代行会社)に許諾を取る。
また、ニコニコ動画などで有名になった初音ミク楽曲の管理をDMPが著作者に申し入れる際には、JASRAC、他の著作権管理団体(イーライセンスなど)、管理団体非信託の3つの選択肢があり、それぞれのメリット・デメリットをきちんと説明した上で、著作者の意思を確認するとしている。
「JASRAC管理曲にしない」という選択肢を用意することで、ニコニコ動画以外の場所で初音ミク楽曲を利用した二次的な創作ができない、あるいは上演やBGMなどとして使用できなくなる点を問題視する作者/ユーザーの声に配慮した形だ。
共同声明では、音楽著作権に関して「現在のシステム・ルールがネット時代に即応できていない不十分な部分が存在する」という認識で一致したことについても触れられている。両社では「時代に即応した新しいシステム・ルールを構築できないか両社で協力し検討して」いくという。