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みくみく~着うた問題、ドワンゴ子会社とクリプトンそれぞれの見解

2007年12月21日 18時13分更新

文● 編集部

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 初音ミクを利用した楽曲の「着うた」配信に関係した問題で、(株)ドワンゴ・ミュージック・パブリッシングと、クリプトン・フューチャー・メディア(株)双方が、今回の問題に関して意見を戦わせている。

 問題になっているのは、関連記事でも触れているとおり、「楽曲登録の際に両社の意志の疎通が十分に図られなかったこと」「JASRAC登録により、当該曲を利用した二次的創作に制約が出る可能性がある」──という2点。

 これに加え、インターネットの掲示板などで、ネット上では作者の承諾を得ず、着うたへの配信が行なわれていたのではないかという疑惑が生じてくるなど、ちょっとした騒動になっている。



著作者への許諾は行なわれたのか?


 まず、21日未明にクリプトンの伊藤社長が同社ブログ内で、まず最初にドワンゴから作者に対して直接連絡を取り、配信OKの確約を得たという連絡があり、着うたへの独占配信の許諾を申し入れてきたと経緯を説明。クリプトンは独占配信を許諾する意向がなかったため、交渉は一時平行線となったしている。

 両社はその後、間に仲介業者を挟み、クリプトン側としては「独占」などの文言を外した上で契約を結ぶよう調整を試みたという。その間に、ドワンゴは口約束のレベルの許諾で楽曲配信を開始してしまい、クリエイターとの間の契約が延び延びになってしまった。

 クリプトンでは、クリエイターに対して迅速に連絡を取り、契約を済ませるという。ただし、これは着うたへの配信に限ったもので、JASRACなどへの登録を行なうわけではないとも書いている。



JASRACへの登録はクリプトンも知っていたはず


 一方、ドワンゴ・ミュージック・パブリッシング側は、21日の午前4時過ぎに伊藤社長のブログに対して、一部事実と異なる部分があるという反論を載せた。

 ブログでは、9月に初音ミクの担当者がドワンゴに来社した際、着うた配信を打診したが、その際には独占配信契約を結ぶという話はなかったと書かれている。また、当初はドワンゴ側で直接、権利者に対して許諾を取ることで合意していたが、その後、クリプトン側から権利代行業者の指定があり、権利者に対する許諾手続きはこの代行業者が行ない、ドワンゴはこの業者とライセンス契約を結ぶことになったこと──という経緯も説明されている。

 ドワンゴとしては、この権利代行業者と配信条件に関して合意がなされた時点で、配信に踏み切ったが、後から、権利代行業者が権利者との間で契約書を交わしていないことが明らかになったという言い分だ。

「当社は非常に驚き、早急に権利者との契約を締結するよう、重ねて権利代行会社に強く申し入れを行いましたが、なんら返答がなく、契約書が締結されないまま今日に至っております」

 なお、JASRACへの信託に関しては、楽曲の出版権に関して、ドワンゴ側で管理を行ないたいという旨を権利代行業者に申し入れたが、原盤権/出版権ともクリプトン側で管理を行ないたいという返答を受けたという。ただし、ドワンゴ側としてはこれに対して不服であり、再度権利代行業者とクリプトンに申し入れを行ない、「クリプトン社担当者様より口頭で了解を頂き、また権利代行会社からも『御社にお任せする』の返答」を受けたとしている。

 「当該楽曲につき、クリプトン社サイドが当社がJASRAC信託を行うことを知らなかったということはありえませんし、当初はクリプトンサイドがJASRAC信託を行う意向を有しておりました」

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