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「AIAで85%のコスト削減に成功」――日本オラクル、SOA実現のための新戦略発表

2007年12月20日 21時40分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本オラクルは、12月20日、SOAを実現するためのフレームワーク「Application Integration Architecture」に関する、今後の日本市場における取組みについて説明を行なった。


SOAを実現するためのフレームワーク「AIA」


 オラクルは2007年4月にアプリケーションのビジネスプロセスを統合させるSOA基盤「Application Integration Architecture」(AIA)を発表している。日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏によると「企業はビジネスプロセスの改善を第一優先課題だと考えている。顧客は、ITに対して使いやすさや柔軟さ、スピードといった要素を求めており、企業やシステムの壁を越えてビジネスプロセスをスムーズに連携させるためにはSOAが必要になる」と述べる。

日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏

日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏

 しかし、三澤氏によると「3年ほど前にSOAが登場したが、SOA導入に成功したケースはほとんどない」とその実現可能性の低さを指摘する。

「SOA導入の際、業務に必要なサービスの粒度を決めたり、共通のデータモデルを設計するための導入ガイドとなるフレームワークが無かったため、企業が膨大な時間やコストを費やすことになり、うまくいかないことが多かった」(三澤氏)

 そこで、企業のSOA実現を容易にするために登場したのがAIAだ。「JAVAは開発フレームワークが誕生したことで、開発生産性が劇的に向上した。SOAのフレームワークを提供するAIAなら、ビジネスプロセスを確立したいというユーザーのニーズとITテクノロジを結ぶことができる」と三澤氏は強調する。

 また、三澤氏は「SOAによって劇的なコスト削減をユーザーは実現できる。オラクル社内でSiebelとOracle E-Business Suiteを統合する実証実験を行なった結果、SOAによるカスタム開発なら520人日かかったものを、AIAを利用することで20人日で開発できた。コスト合計では85%の削減効果を実現した」とAIAの優位性を強調する。

 AIAを実現した製品ラインナップとしては、オラクルの複数のアプリケーション製品間を連携する「プロセス統合パック(PIP)」と、オラクル以外のアプリケーション製品との連携を可能にする「Foundation Pack」がある。

 PIPは現在、SiebelとOracle E-Business Suiteを統合するためのものや業界特化型のものなど10種類ラインナップされ、今後20~30種類に増やしていく。また、「Foundation Pack」は2008年早々の提供開始を予定している。

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