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空挺魂を身につけろ!

これが陸自精鋭の空挺部隊式ブートキャンプだ!

2008年01月20日 08時01分更新

文● アスキー戦車部長Y

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空挺団の目的と任務

 さて、空挺降下には大きく分けて2種類の目的がある。1つは隊員単独、もしくは小規模な部隊で、約2000m以上の高々度よりパラシュートを操縦しながら長駆敵地に隠密裏に降下し、敵情を味方に通報したり、破壊工作を行なうことだ。もう1つは大規模な部隊や装備(火砲や車輌)を敵後方に降投下させ、一気に敵の退路を断つなどの、大規模降下作戦だ。まあ、我々がイメージするパラシュート部隊は、なんとなく後者って感じじゃないですかね。
 第二次世界大戦時には、旧日本陸軍のパレンバン降下作戦(後述)やドイツ軍のクレタ島降下作戦、そして連合軍のマーケットガーデン作戦など大規模な部隊の降下による攻撃が行なわれたが、近年では小規模な部隊の降下による隠密作戦が行なわれることが多いようだ。むろん第1空挺団は基本的にどちらの作戦も実施可能なように装備を整えている。
 ただし、空挺部隊の装備は基本的に輸送機に積めるものに限られるわけで、迫撃砲や軽装甲機動車などの軽装備に限定されることになる。ということで大規模降下作戦の場合でも、基本的には後続部隊の増援、および地上にいる味方部隊との提携を得るのが前提になる。

これが空挺式ブートキャンプだ!?

 今回のツアー参加者は全部で84名、うち半分が女性とのこと。そして16名が跳出塔訓練に参加する。まず駐屯地の講堂で上記のような空挺団のあらましや注意点について聞かされた後、いよいよ跳出塔訓練を体験するべく、参加者一行に同行し訓練場に向かった。
 突然、目の前に広々としたグラウンドが開け、そして目もくらむ高さでそびえ立つ降下塔が屹立しているのが視界に飛び込んでくる。高さ約83mの降下訓練用の鉄塔だ。航空機警告用に紅白に塗り分けられ、頂上部には落下傘を支える腕が十字形に広がっている。これでも実際の降下高度約340mよりもかなり低いのだが、そばで見ると相当高い。

降下塔

体験ツアー一行の前に敢然と立ちはだかる降下塔。この塔から降下するのか!? という声も……(もちろん違うのだが)

降下塔を見上げたところ

降下塔を見上げたところ。取材日はとても天気が良く青空に映える紅白が美しい。上に登るとかなり遠くまで見えるそうで、東京湾や富士山が一望の下に望めるとか。高い所好きの筆者としてはぜひ登ってみたいモノだ

サークル

このサークルに落下傘を取り付け、降下塔のアーム部分から地上に降下する

 さて、降下塔で簡単な説明を受けた一行、降下塔には今回は登れないとのことで、そのままグラウンド奥に案内された。道を挟んで更に奥、そこに跳出塔(とびだしとう)と呼ばれる航空自衛隊のC-1輸送機を模した低めの塔が立っている。

跳出塔

跳出塔。銀色のC-1風塗装ということで、なにか年期を感じさせる塔。だが、これらの施設はすべて我々の税金で賄われているので、大事に長く使ってもらう分には納税者としては実は有り難い

 ここで参加者全員で記念写真を撮り、その後体験ツアーで跳出塔から飛び降りることになっている人は体操を実施。体が堅いまま飛び降りたら事故の元、きちんと柔軟体操や腕立て伏せ(数回だけだったが)などをこなし、ウォームアップも充分、というところまで来たのだった。

腕立て伏せ

ナマった体に腕立て伏せはキツイ

(次ページへ続く)

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