米DivX(ディビックス)社は13日、ホームネットワーク技術「DivX Connected」に関する記者説明会を都内で開催した。この技術自体は2005年1月に発表されているが、今回は組み込み向けの製品としてのアピールで「国内のメーカーにいつでもライセンスできる状態」になったという。
DivX Connectedは、パソコンなどのサーバーに保存されているビデオや写真を、ネットワーク経由でテレビなどに配信する技術。日本で主流のホームネットワーク規格「DLNA」とよく似ているが、DLNAはクライアント側でメニューなどのGUIを生成しているのに対し、DivX ConnectedはGUIも含めてサーバー(ソフト)側で生成し、その映像のみをDivX形式でクライアントに配信する。つまり、クライアント側のハードウェアはDivXのデコーダーとネットワークインターフェースがあればいいことになる。
また、サーバーソフトにプラグインを追加することで、機能拡張することも可能だという。会場ではプラグインの一例として、「Google MAP」を表示させたり、同社の運営する動画投稿サイト「stage6」のコンテンツを表示させたりしていた。
発表会では、DivX社日本代表の大沢幸弘氏がDivXの現状について説明した。現在、世界でDivXの認証を受けている機器は1億台で、パソコン向けの「DivXプレーヤー」ソフトのダウンロード数は3億回に達したという。 ちなみに、日本のダウンロード数はそのうちの8%とのこと。
日本での知名度はあまり高くないDivXだが、「世界では大変よく知られている」と同氏は語った。特にフランスでは「知らない人のほうが少ない」状態で、家電量販店などの店頭では「DivXに対応していないDVDプレーヤーは置いてないのではないか」という状況だという。
そして、広く普及したコーデックやDRM技術などを持つ同社を世間では「家電の間での共通メディア言語を提供する企業」と呼んでいると、同氏は語った。
また、発表会に合わせてDivX社の共同創立者であるジェローム・ゲジ・ロタ(Jerome Gej Rota)氏も来日。DivX Connectedについて同氏は「ネットワークインターフェースが優れている」ことや「オープンな環境を意図したシステム設定になっている」ことなどが強みであると強調した。
そのほか、オンラインショッピングサイト内にDivXの特設ページを設けている、(株)ヨドバシカメラの取締役である吉澤勉氏や、DivX認証家電へのバンドル契約が成立した映像コンテンツ「探偵事務所5」の主演を勤めた加勢大周さんなども駆けつけ、挨拶を述べた。ちなみに、DivX Connectedについての感想を司会者に訊ねられた加勢さんは「画期的だな、と思いました。自分が今までこうだったらいいのにな、ああだったらいいのにな、と思ったことに限りなく近づいた」と語った。