11月のMacBookアップデートともに、Apple StoreのBTOオプションに追加されたMacBook Pro 2.6GHzモデル。CPUにクロック周波数2.6GHzで動作する「Intel Core 2 Duo(T7800)」を採用しており、15/17インチのMacBook Pro 2.4GHzをベースモデルとして選択すれば購入できる。
2.6GHzへのBTOオプション料金は3万1920円。少々時間がかかったものの編集部に同モデルの15インチタイプが届いたので、早速気になるベンチマーク結果をお届けしよう。なお、2.6GHzモデルはあくまでBTOオプションであるため、CPUを除いた基本スペックはベースモデルに準拠している。
iTunes 7 AACエンコード
iTunes 7.5を使って、AIFF形式のファイルをAAC形式にエンコードするのにかかった時間を計測した。CPUの処理能力に依存するテストのため、見事にクロック周波数どおりの結果が現れた。
QuickTime H.264エンコード
QuickTime Playerのプロ版を利用して、DVムービーをH.264形式へエンコードした。iTunesのベンチマークと同じく、こちらもCPUの処理能力がモノを言う。おおむねCPUのクロック周波数に準じた結果だ。
Adobe Photoshop CS3 スクロール/アクション
2Dの描画と実際に即した処理性能を調べるために、「Adobe Photoshop CS3」を使って縦長画像のスクロールと、さまざまなフィルターを組み合わせたアクション処理のベンチマークテストを実施。前者では2Dグラフィック処理、後者ではCPU処理を中心とした総合性能が現れる。同じ米NVIDIA社のグラフィックチップ「GeForce 8600M」を搭載するMacBook Pro間では2D描画性能に差異はなく、演算処理が絡むアクションではCPUが高速なぶん、2.6GHzモデルがリードしている。なお、MacBookはチップセット搭載のグラフィックチップ「Intel GMA X3100」のため、MacBook Proとは描画性能で大きく水をあけられてしまう。
Doom 3フレームレート
米idソフトウェア社製の3Dアクションゲーム「Doom 3」のベンチマーク機能を使って、3Dアニメーションのフレームレートを計測した。グラフィックチップとCPUの性能がスコアに反映されている。
CINEBENCH R10 レンダリング
独マクソン・コンピュータ社製の3Dベンチマークソフト「CINEBENCH R10」を用いて、CPUおよびOpenGL(GPU)レンダリングのテストを実施。CPUは事前の予想通りクロック周波数の差が結果に現れているが、MacBook Pro間のGPUテストの結果でも6%ほど2.6GHzモデルがリードしている。測定誤差というには少々違いが大きいものの、残念ながらはっきりとした理由はわからない。
バッテリー持続時間
画面輝度を最高にした状態でDVDビデオを連続再生し、バッテリーの持続時間を調べた。MacBook Pro 2.6GHzモデルは同2.4GHzモデルよりも約2割も短い結果となり、3時間を大幅に割り込んでいる。
ベンチマークテストはいずれも、Mac OS X 10.5.0(Leopard)、搭載メモリーは1GBに統一して実施した。グラフの数値はMacBook 2.2GHzを100とした相対値で表し、バーが右に伸びるほどパフォーマンスが高いことを意味する。なお、実測値はグラフの右側に記してある。
ベンチマークの結果から明らかなように、MacBook Proの本体価格に約1割足せば数%のパワーアップが望める。MacBook Pro 2.6GHzは期待通りのパフォーマンスを発揮しており、現在の「最速ノートマシン」であることは間違いない。
しかし、MacBook Proシリーズは今年6月に現行ラインアップが登場して以来モデルチェンジをしておらず、しかも年明けには、大幅なダウンサイジングを果たして45nmプロセスで製造される米インテル社の最新プロセッサー(Penryn)を搭載したマシンが登場すると言われている。この点から考えて、新世代CPUを搭載したMacBook Proシリーズが来年1月15日に開催されるMacworldの基調講演で披露される可能性は高い。
もちろん、これらは憶測に過ぎないし、待てば待つほどより高性能なマシンが同じ予算で手に入るのはパソコン業界の常識。とはいえ、もし待てるのであれば来年のMacworldまで様子を見るのもひとつの手だろう。