非常口はまるで秘密基地への入口!
巨大なトンネルに圧倒されながら歩いていると、係員に手招きされた
係員に誘導されたとおり扉をくぐると、そこは非常用の出口だった。向かいは反対車線側の扉だ
現在地は地下4階。緊急時は階段で地上に出られるのだ
これが避難階段。わりと幅が広い
せっかくなので反対車線を覗いてみた
反対車線はトンネルウォークに指定されていないので歩行禁止。思わず誰もいないトンネルで写真を撮影した。係員用の自転車がなんだかシュールだ。開通したら絶対に見る事ができない風景だろう
トンネルウォークの本線に戻り、池袋方面に進んで行くと、ちょうど中野坂上駅の真下あたりでトンネルの断面が筒状に変わった
ドリルは男のロマン! 丸いトンネルは「シールド工法」の証
山手通りの地下には電気やガスなどのライフライン、河川、さらには鉄道11路線と交差している。それらを避けるために山手トンネルは30m以上という深い位置に建設する必要があった。しかし、ライフラインを移設して地上から土を掘り下げていくという従来の「開削工法」では莫大な時間と費用がかかる。そこで山手トンネルで採用されたのが「シールド工法」だ。「シールド工法」とは、直径約13m、重量約3000tの巨大なシールドマシンが、もぐらのように地中を横に掘り進んでトンネルを建設するという工法。トンネルの掘削と壁の構築を同時に行なえるため、費用も抑えられる。
だが、山手トンネルは出入り口やジャンクションなど分岐点が多く、シールド工法で長く掘り進むことは不可能だった。しかし、コスト的にはなるべく少ないシールドマシンで長い距離を掘っていきたい。そこで、先にシールドトンネルを掘ってしまい、必要最小限の区間を後から切り開くことにした。結果として、山手トンネル全区間のうち約7割でシールド工法を採用できたのだ。
地中を横に掘り進んでトンネルを建設するシールドマシン (c)首都高速道路
仮の柱で支えながらシールドトンネルを切り開く (c)首都高速道路
シールド工法で建設された筒状のトンネルを進むと、やがてUターン地点に到着した。ちょうど青梅街道と大久保通りの中間あたりだろう
ここは撮影スポットになっており、多くの参加者が記念写真を撮っていた。カーブのため、わずかに路面が傾斜しているのがわかる
今歩いてきた道を引き返すと、消火設備のデモを行なっていた。大きな消火ホースに子供は大はしゃぎ!
これが消火設備。約50mおきに消火器や消防士用の散水栓などが設置されている
簡単に扱える泡消火栓のノズル。火災発生時に、発見者や現場にいる人が初期消火のために使用する
こちらは約100m間隔で設置されている非常電話。受話器を取れば管制室と通話できるのはもちろんのこと、電話ボックスの蓋を開けるだけで、管制室はどこの電話ボックスなのかをすぐに特定できるのだ
路面にカメラを置いて、スローシャッターで撮影してみた。動いている人が消えてなんだか味のある写真が撮れた(ような気がする)
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