マイクロソフトは「Windows Vista Service Pack1」の詳細を発表した。スマートカードやBitLocker機能が「生体認証」を利用できるようになるなど、セキュリティ機能が向上している。
Windows Vista SP1のRC版は12月11日に一般提供
マイクロソフトは、2008年にリリースされる「Windows Vista Service Pack1」(以下、Vista SP1)に関する報道機関向けの説明会を開催し、追加機能や強化点などの詳細な発表を行なった。
今回発表されたVista SP1の特徴について「互換性に最大限の配慮を行なった」とマイクロソフト Windows本部プロダクトマネジメント部 部長 中川 哲氏は述べる。
「Vista SP1の仕様変更で、過去動いていたものが動かなくなるということはない。企業ユーザーが安心してご利用いただける」(中川氏)
今回、Vista SP1で重点的に強化されたポイントは以下の4点。
- ・exFATへの対応
- 外部ストレージ向けのファイルシステム「exFAT」を新たにサポート。1ファイルあたり4ギガバイトの制限があった「FAT32」に対して、exFATでは1ファイルあたり16エクサバイト(エクサバイトはギガバイトの100万倍)まで対応する。
- ・リモートデスクトップの通信効率向上
- PCへのリモートアクセスを可能にするリモートデスクトップに関しても、強化が図られる。画像圧縮技術を用いて、従来に比べ、通信データ量が約25%~60%軽減されている。
- ・BitLocker機能の強化
- 従来、起動ドライブのみサポートされていた「BitLocker」による暗号化が、Vista SP1では他のドライブにも適用されるようになる。また、暗号解除用のデバイスにUSBメモリやTPMチップに加え、指紋認証や網膜認証などの生体認証をサポートした。
- ・スマートカード認証も拡張
- スマートカードによるログオン認証もこれまでのパスワードに加え、生体認証機能をサポートし使い勝手とセキュリティを向上させた。
Vista SP1の正式リリースは「2008年第1四半期の後半」(中川氏)を予定している。各企業への評価用として、RC版を12月11日からWebサイトで配布する。
また、「2007 Office System Service Pack1」については、「Office IME 2007の文字変換の精度や速度が向上している」と発表したが、詳細は後日に発表されるとして、深く言及しなかった。