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A4インクジェットプリンター

レビュー:Brother MFC-870CDN

2007年12月05日 12時00分更新

文● 柴田冬彦

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文字印刷を重視した黒の顔料インクを採用


 印刷エンジンは、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの4色構成で、ブラックのみ顔料インクを採用している。最大解像度は6000×1200dpiで、日常的なプリンターとして使うならこれで十分なレベルだ。

 実際にテキスト文書を普通紙に印刷したところ、にじみはほとんどなく濃度も高かった。これは、紙に染み込みにくい顔料インクの恩恵だ。一方、専用紙に印刷した写真の画質は、全体的に濃度が薄くシャドー部の表現力が弱い。他社製品に比べて色の階調表現には難があるものの、これは詳細に見比べて気付くレベルの話だ。彩度が比較的高いので、普通に見るぶんには気になることは少ない。

Brother MFC-870CDN

黒文字品質は、コピー用紙などの普通紙上でもかなり良好。文字形状に若干の乱れはあるものの、にじみはほとんどなく、シャープな輪郭を実現している。写真は原寸スキャンしたデータを400%で拡大したものだ

写真専用紙を使えば、肉眼では粒状感もほとんど気にならない。彩度も高く鮮やかな色再現を実現している。ただし、微妙な階調表現は苦手でやや平面的な仕上がりとなる。右は、左の写真を原寸スキャンしたデータ(72dpi)を400%で拡大したもの

 画質と同じく気になるのは、印刷速度。A4フルサイズの写真を「写真モード」で出力する際に要した時間は5分23秒、カラー図版を含む30ページのPDFをプレビュー経由で印刷すると12分25秒だった。

 画質/速度ともに、他社製品に比べると見劣りするものの、電話・ファクス付き複合機としての用途を考えれば納得の性能だ。


【Conclusion】
○  ワイド型のカラー液晶モニターは視認性が高い。前面給紙で設置面積が小さく、4色独立のインクカートリッジなのでランニングコストが低い済む。

×  原稿自動送り装置(ADF)を装備しないため、複数ページのコピーやファックス送信が面倒。厚紙やCD/DVDラベルの印刷には非対応。

(MacPeople 2008年1月号より転載)


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