年月とともに痛んだガレージをHPが購入し、2005年に復元
HPの創業者ふたりがこの場所で作業したのは、1年半ほど。それほど長い期間ではない。1939年の秋には、創業したガレージでは手狭になり、仕事場は同じパロアルト市内のページミル通りに移転。ヒューレットとパッカードも結婚や子供の誕生などを契機にこの家を離れた。以来、2000年にHPが買い取るまで、この家とガレージは複数の所有者の手を経ることになる。
HPのガレージがパロアルト市の歴史的建造物に指定されたのは1985年のこと。その後、1989年にはカリフォルニア州の歴史的建造物(第976番)となるが、その間も家屋は借家として一般人が生活していた。HPがこのガレージと住宅を買い取ったのち、2005年には築100年を記念して、復元と大幅な改装を実施。今年5月には、米国国立公園局により、米国の史跡に登録された。
アディソン街は、パロアルトのHP本社から自動車を10分ほど走らせた場所にある閑静な住宅街だ。HPの本社から、このガレージにいく途中には、スタンフォード大学のキャンパスのすぐ側をとおる。「教授村」というアディソン街のニックネームは、かつてこの地区に、大学教授や研究員向けに建てられた住居が多く存在したためだという。
赤いレンガと緑色の屋根を持つ住居の前には「BIRTH PLACE OF SILICON VALLEY」という看板が掲げられている。敷地には特別な機会を除いて入ることはできないが、それでも毎年5000人もの観光客がここを訪れ、門の外からHPのガレージを見て帰って行くという。
シリコンバレー発祥の地
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