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シマンテック、常駐型のボット駆除ツール「ノートン・アンチボット」を発売

2007年11月28日 15時37分更新

文● 編集部 小西利明

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 (株)シマンテックは28日、「ボット」対策に特化したセキュリティーソフト「ノートン・アンチボット」のダウンロード販売を開始した。価格は3990円。

「ノートン・アンチボット」

「ノートン・アンチボット」

 ノートン・アンチボットは、パソコンに侵入したプログラムによって、ユーザーの個人情報や操作履歴を盗み出したり、ユーザーのパソコンからスパム・フィッシング詐欺メールを配信したりするマルウェアの一種「ボットの監視と駆除に特化したセキュリティーソフトである。

アンチボットでPC上で稼働しているプロセスを確認する画面

アンチボットでPC上で稼働しているプロセスを確認する画面。マルウェアと思われるプロセスを明示的に止めることも可能

 同社の「ノートン・アンチウイルス」シリーズが、シグネチャー(定義ファイル、パターンファイル)による照合を元にウイルスやマルウェアの監視・駆除を行なう点に重点を置いているのに対し、アンチボットでは侵入したボットの動作を監視することで、ボットによる不正な操作を阻止することに重点を置いている。ボット対策に特化しているため、ウイルス対策やパーソナルファイアーウォールの機能は備えていない。

ボットを模したデモ用プログラムを認識した様子。ボットの動作停止と削除を行なえる

 同社のオンライン販売サイト「シマンテックストア」にて、単体でのダウンロード販売が行なわれるほか、「ノートン・インターネットセキュリティ2008」とのセット販売(1万290円)も行なわれる。1ライセンスで3台までのインストールが可能で、価格には1年間のアップデートサービスが含まれる。

 対応OSはWindows Vista(32bitおよび64bit)/XP Home Edition/XP Professional。

増大するボットの脅威に対抗するための単体販売

 同日、東京都内にて開かれた記者説明会で、同社シニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間 彩氏は、ボットが日本も含む世界的な広がりを見せていて、個人ユーザーに対しても重大な脅威となっている現状を報告。「進化する脅威に対して、一歩先を行く」セキュリティーを提供するために、アンチボットを提供すると述べた。

ボット感染PCをネットワーク経由で操る“ボットネット”の広がりと、各国での対策を示したスライド。スパムの配信や遠隔攻撃など、犯罪に利用されるケースも多い

 アンチボットでは、パソコン上で動作しているプログラムやサービスを監視し、ボットと思われる動作を示したプログラムがあると、これをユーザーに示したうえで対策(削除など)を行なえる。動作中は常にシステムを監視しているため、ウイルス対策ソフトのように時間を要するシステム全体のスキャンなどは必要ない。またウイルス対策ソフトと違い、“定義ファイルの更新”といった要素は必要ないため、頻繁な更新チェックは必要ないとしている。

 アンチボット自体のプログラムは規模が小さく処理負荷も低い。同社ではインストールや起動がごく短時間で済むほか、メモリー使用量(10MB程度、環境は不明)やCPU使用率(2%程度)も低いとしている。また、他のセキュリティーソフトとの併用も可能としている。

アンチボットの負荷の軽さを示したスライド

アンチボットの負荷の軽さを示したスライド。他のセキュリティーソフトと併用させても、システムに対する負荷は小さいとしている

 元々アンチボットは、米Sana Security社が開発した技術を、シマンテックがライセンス供与を受けて製品化したものである。そのため、ノートン・アンチウイルスや統合セキュリティーソフト「ノートン・インターネットセキュリティ」シリーズとは別個のソフトウェアとなっている。しかし、ユーザーから見れば、ボット対策機能はこれらの製品に統合されていた方がありがたいもの。同社ではボットの脅威が深刻になっている現状を踏まえて、対策技術をより早く提供するために単体での販売に踏み切った、としている。ノートン・インターネットセキュリティなどとの将来的な統合については、検討していきたいとしている。

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