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MIJSが「検証センター」設立―標準規格策定でSaaS・ASP提供も視野へ

2007年11月19日 20時21分更新

文● アスキービジネス編集部

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 メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアムは、19日、都内で記者会見を開催し、参加企業が持つ製品の相互連携を推進するための「バーチャル検証センター」を設立することを発表した。同時に製品連携のための標準規格の策定やSaaS・ASP形態での提供に関するプランを発表した。


スイートからSOAによる適材適所へ


 メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(以下、MIJS)は、2006年8月に設立された国産の有力ソフトベンダー24社からなる団体で、参加企業の持つ製品の相互連携やシステム構築の効率化、ユーザビリティの向上などを目指し活動している。

 MIJSコンソーシアム副理事長でウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長の内野弘幸氏は、同コンソーシアムの活動に関して「国産パッケージソフトは日本の商習慣に適合し、高い評価を受けている。しかし、パッケージ同士の連携まだ不十分なので、横のつながりを強めていきたい」と語る。

MIJSコンソーシアム副理事長 内野弘幸氏

MIJSコンソーシアム副理事長 内野弘幸氏

 今回の「バーチャル検証センター」の設立は、コンソーシアム参加企業のアプリケーション間の連携を検証し、相互運用性の検証を行なうための施設。同時にMIJSではアプリケーション相互運用性のために標準規格の策定を進めていて、将来的には同規格に準拠したアプリケーション開発者や利用する一般ユーザーにも、この施設を開放していくとしている。

 MIJSが策定する標準規格に関して、MIJS技術部会 部会長でシステムインテグレータ代表取締役の梅田弘之氏は「1つのベンダーがスイートという形ですべてのシステムを提供する時代から、複数のベンダーを組み合わせて利用するベスト・オブ・ブリード(適材適所)の時代に変わってきている。複数のパッケージソフトを組み合わせて使うための、インターフェイスの標準規格化が必要になっている」と語る。

MIJS技術部会 部会長 梅田弘之氏

MIJS技術部会 部会長 梅田弘之氏

 MIJSでは標準規格を「トランザクション連携」「マスタデータ連携」「機能の共通インフラ化」の3つの観点から進めている。この標準規格に関しては11月29日に開催される「第2回MIJSカンファレンス」でデモンストレーションを含めた、詳細な発表を行なうとしており、コンソーシアム各社から年末から年明けにかけて、対応製品の出荷がなされるという。

「シェアの高いパッケージを持つ各企業が集まって策定した標準規格なので“絵に描いた餅”にはならない。参加企業の各アプリケーションを自由に組み合わせて利用可能なSaaSポータルの提供まで視野に入れている」(梅田氏)

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