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エンジニア進化論 第2回

第2回 エンジニアの成長を助けるビジネススキル~PDCA~

2007年11月22日 17時05分更新

文● 中山康照

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 「PDCA」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。PDCAとは「Plan(計画する)」「Do(行動する)」「Check(記録、評価する)」「Action(改善する)」のサイクルを廻すことで業務を改善させる手法です。しかしイメージとしては単純なのですが、それを実践しようとすると、どこをどうして始めたらいいのか悩んでしまいがちではないでしょうか。計画を立てたとしても「三日坊主」という人も多いでしょう。そこで、現場でPDCAを生かす方法を紹介します。

 PDCAについて「まず計画することだ」という論者も多いようですが、「Plan」よりも先に、「Check」から──正確には「記録」──から入ることをお薦めします。まずは、毎日の仕事を記録することから始めて見て下さい。

たとえば、

11月20日
・会議に出る
・報告書を一本書く

とその日にやった業務を記録してみます。

 また、たとえば営業に関わるような人なら

11月23日
・OX株式会社様へ訪問、技術面のプレゼンテーションを行なう
・見積書を作成

というように、簡単な記録でいいでしょう。ここでは続けるということが大切です。この「記録を取り続ける」ことがPDCAの出発点になり、土台となっていきます。また、この段階で「記録」のフォーマットや詳細さ、表現のあいまいさを意識する必要はありません。スケジュール帳の端に、その日にこなした業務の本数を印として書くだけでもいいのです。

 ある程度記録がたまったら、1週間や10日間、1ヶ月間などの一定の期間のその記録を眺めてみて下さい。すると、現在の自分の生産性が見えてきます。また、自分のキャリアをどのようにしていきたいのかもここで改めて考えてみます。大げさに考える必要はなく、単純に「もっとこなせる仕事量を増やす」とか「クオリティを高める」、「現状をよりよくする」というシンプルな発想でもかまいません。方向性を決めることが大切で、この方向性(目標やゴール)を基準に、取った記録を評価するのです。そうすれば、目標が達成できているか、ゴールに近づけているか、自分の尺度で記録を評価することで、不足している部分がわかります。

 記録など取らなくてもそんなことはわかっている、という人もいるかもしれません。でも、頭の中でのイメージはイメージでしかなく、現実の自分の姿は「記録」という「データ」によって明らかになるものなのです。

 また、この段階になったら次に記録の評価に基づいた「Plan(計画する)」を試みていきます。ここで大切なのは、計画に対して成長の種をまくのを忘れないことです。ただ同じことを毎回するのであれば、計画は必要ありません。反復の中にもある程度の“変化”を含めなくてはなりません。計画を行動に移すときには、前回の計画よりも少しだけ負荷を高めたり、やり方を変えてみたりします。そしてもちろんその記録を取り、取った記録を計画とつき合わせて再度評価し、次の行動の際に改善していく。このサイクルをある期間続けることができれば、必ずエンジニアとして成長できるはずです。自分の成長をコントロールするのに、PDCAは非常に有効なツールと言えます。

 PDCAのサイクルを続けていく中で、計画が達成できないこともあるかもしれません。それはそれで、「この方法ではできない」ということがわかる大切な経験になります。その経験を次の計画につなげて、成長すればいいのです。キャリアプランがそれぞれ異なるように、適したPDCAのスタイルも異なります。自分なりのPDCAスタイルに気づくことこそが最大のコツです。模索や停滞を恐れずに今日の業務を記録することから始めましょう。

Illustration:Aiko Yamamoto

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