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【レビュー】広角レンズ搭載の手頃な入門機 富士フイルム「FinePix F480」

2007年11月17日 12時00分更新

文● 行正和義

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撮影サンプル1 最広角で撮影。広角レンズによる広い画角は気持ちよく、これが2万円台のデジタルカメラで気軽に撮れるとは思えない。プログラムオート(マニュアルモード)、1/680秒、F5.4、露出補正+0.3、ISO 100。元画像は3264×2448ドットで、掲載用に800×600ドットにそれぞれリサイズおよびトリミングしたほか補正はかけていない

撮影サンプル2 最広角で撮影。周辺部はやはり画質劣化が大きく、電子的な補正処理にもかかわらず色ズレなども発生している。プログラムオート(マニュアル)、1/120秒、F2.7、露出補正+0.7、ISO 200

 厚み20mm前後で薄さを競う最近のコンパクトデジタルカメラと比べるとややもっさりした印象のあるボディーだが、厚み23mmというサイズはほとんどのポーチやポケットにすんなり収まり、ボディー前面のモールドなどもあって持ちやすい。また、撮影時重量の約159gという重さは、手に取ったときには思いのほか軽く感じる。

撮影サンプル3 標準画角(約42mm前後)で撮影。雨の日の露出がやや弱い状況も発色の鮮やかさは日中などとほとんど変わらなく鮮やかで不自然さが少ないのはFinePixならでは。プログラムオート(マニュアル)、1/125秒、F3.2、ISO 100

 撮影画像はいかにも同社らしい鮮やかな発色強めのシャープネスで、メリハリの効いた絵作りで見応えのあるものとなっている。明暗の差の大きなシーンではやはり白とび・黒潰れは見られる。また、本機の特徴である広角での撮影結果でも、周辺部では像が歪んで色ムラや解像感の低下は大きいのは確かだが、コンパクトデジタルカメラとしてはやむを得ないところだろう。

撮影サンプル4 高感度による手ぶれ防止を備えるものの、やはりISO400を超えるとかなりノイズは増え、画像処理によって目立つ輝点こそないものの、被写体の輪郭もややがたついたものとなってしまう。手ぶれ防止モード、1/17秒、F2.7、ISO 800

撮影サンプル5 低ISO感度域ではかなりノイズが抑えられ、夜景でもすっきりとした画像となる。三脚を使用、夜景モード、1/3秒、F5.4、ISO 200

 ここ最近のコンパクトデジタルカメラは、光学的手ぶれ補正や顔認識など豊富な機能を搭載することがセールスポイントとなっており、広角レンズを搭載することをアピールする製品も少なくない。とはいえ実売2万円台半ばという価格を考えればコストパフォーマンスの高さは特筆すべきものがある。

撮影サンプル6 最短撮影距離は標準で40cm、マクロモードは広角で5cm、望遠で30cmまで近接できる。雨天ながら発色は非常にいい。1/90秒、F4.4、ISO 100

 どちらかというと広角レンズはやや上級者向けという印象があるが、風景をより広く切り取ったり、室内など後ろに下がれない場所での集合写真など、広角レンズでなければ撮れない条件も多いので、写真を身近に楽しめるということを考えれば広角に強い入門機はそれだけでも十分価値のある存在と言えよう。また、広角側での画質に関して上位機に比べるとやや難があるとはいっても、広角35mm相当の製品にオプションのワイドコンバージョンレンズを取り付けるよりも確実に奇麗に撮れる。手持ちのデジタルカメラに広角機がないなら、広角を楽しむために導入してみるのに手ころな1台だ。



FinePix F480の主なスペック
製品名 FinePix F480
撮像素子 1/2.5インチ有効815万画素CCD
レンズ 光学4倍ズーム、f=4.6~18.4mm(35mmフィルムカメラ換算時:28~112mm相当)、F2.7~5.4
静止画撮影 最大3264×2448ドット
ISO感度 AUTO、ISO 100/200/400/800
動画撮影 320×240ドット、30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式
液晶ディスプレー 2.7インチTFT、約23万画素
記録メディア 内蔵フラッシュメモリー約12MB&SDメモリーカード(SDHC対応)/xDピクチャーカード
インターフェース USB、AV出力、赤外線
電源 専用リチウムイオン充電池(NP-40N)
撮影可能枚数 約150枚
本体サイズ 幅95.6×奥行き23.0×高さ55.4mm
重さ 約140g(本体のみ)/約159g(装備重量)

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