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「人材育成でセキュリティ業界に夢を」――情報セキュリティ教育事業者連絡会がキックオフ

2007年11月14日 23時05分更新

文● アスキービジネス編集部

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情報セキュリティ教育事業者らが加盟する「情報セキュリティ教育事業者連絡会」(ISEPA)は、11月14日、都内で記者会見を開いた。10月の会発足以来初の開催となるイベントに併せて開かれたもので、代表の与儀大輔氏らが今後の活動方針を説明した。


関連団体の連携で教育体系・資格の整備を目指す


 「これだけの関連団体が参加するのは、人材育成を本気でやろうという意思の表れ。非常にインパクトのある試みだと思っている」。情報セキュリティ教育事業者連絡会(ISEPA)代表の与儀大輔氏はこう強調する。

「セキュリティ業界に夢を」――情報セキュリティ教育事業 者連絡...

情報セキュリティ教育事業者連絡会(ISEPA)代表の与儀大輔氏

 ISEPAは、(ISC)2 Japan、JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)、ISACA(情報システムコントロール協会)東京支部などの情報セキュリティ教育事業者らが参加する業界団体。業界横断的な人材育成支援体制の整備や情報発信を目的として今年10月に発足した(関連記事)。現在の参加団体は10団体。加えて、内閣官房情報セキュリティセンター、総務省、経済産業省などの行政・公的機関がオブザーバーとして参加する。

「セキュリティ業界に夢を」――情報セキュリティ教育事業 者連絡...

ISEPAと関連団体の位置づけ、活動イメージ

 発足の背景にあるのは、情報セキュリティを担う業界内外の人材の不足だ。多くの企業や組織が情報セキュリティ人材を必要としながらも、さまざな関連資格制度や教育体系が複雑に乱立しているのが現状。そこで、ISEPAでは、当初、「スキル」「相互認証」「イベント」の3つのワーキンググループ(WG)を設置し、「できるだけ分かりやすい教育体系・資格制度」の整備を目指す。

 具体的には、スキルWGでは、2008年2月をめどに、職種/スキル/アウトプットをひも付ける「人材育成マップ」を作成し、キャリアパスを提示できるようにする。

 相互認証WGは、各関連資格間の資格継続プログラムの相互認証スキームの検討や、資格自体の相互認証を目指す。「たとえばCISSPであれば、英国では政府機関の認定資格であるITPCと相互認証している。日本でも同様の提案をしていきたい」(与儀氏)。また、大学・大学院の教育プログラムへの組み込み、講師の育成、教育コンテンツの作成などにも取り組む。

現在作成中のスキルマップ(左)と、スキルマップを活用したキャリアパスのイメージ(右)

 イベントWGでは、年間3~4回のセミナーやイベントを開催するほか、各組織の有資格者数の把握などに努める。

 こうした活動を通じて、与儀氏は「後輩たちがセキュリティ業界に夢を持てるような環境づくりを、人材育成を通じて強く推進していきたい」と意気込む。また、同席したJNSA事務局長の下村正洋氏は、ISEPAに対して「みんなが使えるようなものを作ってほしい。日本をリードしていくような教育指針を出していただければ」と注文をつけた。

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