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シンビアン副社長がスマートフォンの魅力を激白!

【インタビュー】スマートフォンは第2の頭脳、利用者をもっと賢くする

2007年11月15日 11時00分更新

文● ヤシマノブユキ

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 シンビアン(株)と英シンビアン(Symbian)社は6日、2007年度 第3四半期の業績発表会を開催した。これに合わせ来日した、英シンビアン社 調査研究担当副社長のデビッド・ウッド(David Wood)氏に、Symbian OSを中心とするスマートフォンの魅力を聞いた。

スマートフォンを使ってもっと賢くなってほしい


ウッド氏
デビッド・ウッド氏。1988年にソフトウェア技術者としてPsion入社後、Symbian OSの開発を指揮し、シンビアン社の創設(1998年)メンバーとなる。2002年に副社長就任。2005年より調査研究部門を担当する

ヤシマ(以下、編集部):単刀直入におうかがいします。ズバリ、スマートフォンの魅力とはどんなところでしょう。

ウッド氏:賢い人がスマートフォンを使いこなせるというのではなく、スマートフォンを使って今よりもっと賢く(スマートに)なっていただきたいというのが我々のビジョンであり、スマートフォンの魅力や使命だと感じています。

 「スマート」というのは単に頭がイイということではなく、何が重要で何をどのように実行すべきかを把握している状態であり、その役割を担うのがスマートフォンなのです。2~3年後には「スマートフォンは第2の頭脳」と言い切る人がどんどん現われてほしいですね。「私はこれ(スマートフォン)で知能指数が10%上がりました」とか(笑)。


編集部:スマートフォンは実際どのように使われているのか、特に人気の高いソフトがあれば教えてください。

ウッド氏:ノキアが行なった調査では、ポッドキャスト(Podcast)の利用者がダントツで、予想外の使われ方をしていることに驚きました。パソコンを介さず、スマートフォンに直接ダウンロードするスタイルが主流で、通常のネット利用者に比べ1人あたりのデータ通信量が多い点が特徴です。

 「Nokia E61」のようにRSS機能を標準搭載した機種もあり、ソフトを追加することなくポッドキャストを楽しめる、そんな手軽さが影響しているのかもしれません。時として意外なモノがヒットするのはパソコンの世界も同じですね。


編集部:これからはどんなモノがトレンドになると思われますか。

ウッド氏:現在の音声のポッドキャストに加え、これからは「ビデオポッドキャスト」や「YouTube」のような動画共有サービスへの需要が一気に高まってくると見ています。

 そうしたニーズに応えるため、我々は「ScreenPlay」(オーバーレイ表示技術などを利用した高画質表示機能)と、「FreeWay」(ブロードバンド通信に対応するIPネットワーク設計技術)という技術基盤を開発しました。これらを使うと、「モバイルWiMAX」などのブロードバンド環境で、バッテリー消費を抑えながら高画質動画の視聴が可能になります。

新技術
今後提供予定の「FreeWay」、「ScreenPlay」、「SMP」といった新技術

 端末メーカーに対して、すでにベータ版を提供済みで、対応端末は早ければ2008年下半期にも登場する見込みです。この技術基盤は将来、「BRAVIA」(ブラビア:ソニー(株)の液晶テレビブランド)や、「AQUOS」(アクオス:シャープ(株)の液晶テレビブランド)などと並ぶ、高画質の代名詞になると確信しています。

 また、端末の高機能化が一段と進むでしょう。特に日本人は通話よりもウェブをよく利用する傾向にあるので、ウェブブラウザー機能がますますパワフルになっていくのは確実です。いずれはすべての携帯電話機がスマートフォンと呼ばれるようになるでしょう。

スマートフォン
機能が集約されていくことで、全ての携帯電話機がスマートフォンと呼ばれるようになる

長時間動作の秘訣はおせっかいではなくなまけもの


編集部:シンビアン端末はバッテリーの持ちがイイと評判です。どんな秘密があるのか、詳しくご教示願いたいのですが……。

ウッド氏:残念ですが企業秘密ということでご勘弁ください。秘密があるとすれば、それはPsion(サイオン)時代から脈々と受け継がれてきた「シンビアンの遺伝子」ということになるでしょう(笑)。

 ちなみに、PC業界には「18ヵ月で機能(半導体の集積密度)が2倍になる」ムーアの法則がありますが、バッテリーにはこれが当てはまりません。スマートフォンの場合、処理するデータは1年で約25%も増えるのに、バッテリーは1年で約8%しか性能が向上しないのです。このギャップを埋めるのに必要なのが優れたOSです。

 Symbian OSの電源管理方法は、“おせっかい”ではなく“なまけもの”に近い発想です。システム全体を逐一監視することはせず、ソフトからリクエストがあったときだけ、スリープを解除するのでムダな電力を使いません。また、本体を使っていないときは、メモリーを部分的にシャットダウンすることで電力を節約します。さらに2010年にはマルチコアプロセッサーに対応することで、高負荷な処理でも消費電力を抑えられるようになります。

 こうした電源管理方法がバッテリーの持ちを良くしています。例えば、メールのプッシュ配信をすると、一般に電池の減りが速くなると言われていますが、Symbian OSの場合はプッシュ配信をしているときとそうでないときとで電池の減り具合はほとんど変わりません。



編集部:シンビアンの優秀な面をもっとコンシューマーにアピールしてはいかがでしょう?

ウッド氏:それはなかなか難しい問題です。というのも、コンシューマーブランドを作るには数百億円という莫大なコストがかかります。同じコストをかけるのであればキャリアーやメーカーといった携帯電話業界に絞り込む方が効果的というのが我々の判断であり、戦略です。

 携帯電話機を買うときにOSを気にする人なんていませんから、最高のマーケティングツールというのは消費者向けの広告ではなく、シンビアン端末が売れることに尽きるのです。


編集部:ところで、Googleが発表した『Android』(アンドロイド)をどのようにご覧になりますか。

ウッド氏:とても歓迎すべきプラットフォームだと思います。理由は2つあります。1つはオープンなプラットフォームを採用していること。もうひとつはスマートフォンであることを強調している点です。

 Googleの参入で、より多くの消費者が「もっとパワフルなスマートフォンを買おう」と考えるようになってくれれば、モバイル市場全体としてはとても面白いとは思います。ただ、実際にそうした製品が提供可能かどうかは現時点では情報が少なく、何とも言えないというのが正直なところです。

 前述の電源管理の問題をはじめ、スマートフォンの開発は実に複雑です。少なくとも我々には、創立以来9年間の膨大なノウハウの蓄積があるので、Googleを歓迎こそすれど脅威には感じる理由はありません


編集部:最後に日本のみなさんにメッセージがあればお願い致します。

ウッド氏:世界的に見て、日本は高機能携帯電話の台数が最も多い、いわばスマートフォン先進国です。我々はそんな日本市場をきわめて重視しています。これまで普通の携帯電話機を使っていた人が、スマートフォンに乗り換えようと思えるようなインパクトのある製品を、キャリアーやメーカーを通じて積極的に投入して参りますので、これからもシンビアンにますます期待してください!

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