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【徹底研究 SaaS最前線】

SaaS・ASPがIT政策の新キーワードに――政府が模索するブロードバンドの「次」Part1

2007年11月13日 14時00分更新

文● 文●アスキービジネス編集部

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国の肝入りで進められたブロードバンド環境の整備は一段落したかに見えるが、「ブロードバンド後」の具体的な政策は依然、国民からは見えにくい。2007年に入り、ブロードバンド活用策の柱の一つにSaaS・ASPが掲げられた。


社会経済の再生をITはどこまで担えるか?


 1990年代前半に米国政府の打ち出した「情報スーパーハイウェイ構想」、続いて米国内で起こった民間によるインターネット環境整備の後塵を拝した格好で、2001年1月に「IT基本法」から「e-Japan戦略」に至る一連のIT政策を日本政府が立て続けに発表したことはまだ記憶に新しい。

 以降、IT政策の重点方針を段階的に決定してきたのが政府の通称「IT戦略本部」(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)だ。2007年7月、このIT戦略本部が公式発表した「重点計画2007」の中に、ASP・SaaSの名が挙がった。

 IT戦略本部の示した重点計画を受けて動き出した各省庁の中でも、通信分野を担当する総務省、続いて産業全般を担当する経済産業省の動きは活発で、現在、SaaS・ASPを取り込んだ施策を相次いで提案している。

 いったいSaaS・ASPがIT政策の中に突如として出現した理由はなにか? 国がe-Japan戦略の成果とするブロードバンド網の利用提案、という意味はとうぜん考えられる。同時に、耐用年数を超えた「戦後レジーム」の刷新を促す象徴として、ITのより具体的な効能を官民両方に示したいという意図も同時に伺える。

 実際のところは、「情報スーパーハイウェイ構想」も「e-Japan戦略」も、社会政策というより明らかに経済政策として機能したように、ずばり経済政策の一部というニュアンスが強い。ただ、2007年のIT政策を見る限り、SaaS・ASPの引用によって、ITの果たす重要な役割を国がようやく描いてみせることができたような印象を受ける。ではそれはどんな役割なのか?

 以降、政府、総務省、経済産業省の発表をなぞりながら、IT政策がSaaS・ASPに求める役割を誌面に描き出してみることにしよう。

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