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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第2回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

メニューとショートカット

2007年11月11日 22時23分更新

文● 柴田文彦

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メニュー選択方法に表れる二大OSの設計思想

 Macのメニューバーにあるメニューは、「プルダウンメニュー」と呼ばれ、ドラッグ操作が基本。対してWindowsのメニューは、「ドロップダウン」メニューと呼ばれ、始点と終点で二度クリックする操作となる。

 大差がないかもしれないが、メニュー選択のためにボタンを押す回数はMacのほうが1回少ない。2回が1回で済むのだから半分ということになり、積もり積もれば大きな差だ。なお現在は両OSとも、プルダウン的、ドロップダウン的な操作もできる。しかし、アイコンなどの上で開くメニューの場合には操作方法に依然違いがある。

 Macは元来1ボタンマウスで、「コンテクストメニュー」を開くには「control」キーを押しながらボタンを押す。Windowsは2ボタン以上が標準で、「コンテキストメニュー」は右ボタンのクリックで開く。ところがMacも、現在では右ボタンの存在を前提とした設計で、右ボタンでコンテクストメニューの操作が可能だ。ただし、Macではコンテクストメニューをプルダウン式にドラッグ選択するだけだが、Windowsでは右クリックのドラッグ操作を経てコンテキストメニューにコピー/移動/ショートカット(エイリアス)の作成が表れる。

 またWindowsのメニューは、「Alt」と方向/英字キーの組み合わによってほぼマウスなしの操作が可能だ。Macの場合は、「ユニバーサルアクセス」に含まれる「マウスキー」を利用しないとキーだけによるメニュー操作はできず、それとてかなり苦しい操作方法となってしまう。

プルダウンとドロップダウン

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】メニュー操作の基本は、まずタイトルにマウスポインターを重ね、その位置でマウスのボタンを押す。メニューが引き出されたら、ボタンを押したまま目的のアイテム上にポインターを移動しボタンを離す

Mac vs Win

【Windows XP】メニュー操作の基本は、タイトル上にポインターを重ねて1回クリック、メニューが撃ち落とされるように開いたら、アイテム上にポインターを移動してもう1回クリックする


コンテクスト/コンテキストメニューの操作

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】コンテクストメニューは、「control」キーを押したままマウスボタンを押して呼び出すのが基本。2ボタン以上のマウスでは、右ボタンで操作可能だ。ドラッグしてもクリックしてもいい

Mac vs Win

【Windows XP】コンテキストメニューは、もともと右ボタンで操作する。メニューを出したいオブジェクトの上にポインターを合わせて右ボタンを必ずクリックする。また、右ボタンを使ってドラッグするとコピー/移動/ショートカット作成のいずれかを選べる


既成事実となったMacの「右ボタン」

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】「システム環境設定」の「キーボードとマウス」パネルでは、「主ボタン」として左または右が選べる。アップル純正マウス「Mighty Mouse」の登場で実質的に右ボタンを備えたので、右ボタンの存在が昔のようなタブーではなくなった

Mac vs Win

【Windows XP】当初から2ボタン以上のマウスを標準としており、右ボタンを使った操作も早くから発達した。また「主と副のボタンを切り替える」という機能も、主に左利きの人のために用意していた


キーによるメニュー操作

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】キーボードだけによる操作は苦手。「システム環境設定」の「ユニバーサルアクセス」パネルにある「マウスキー」の設定で、かろうじてテンキーでポインターを動かしてマウスの代用が可能となる

Mac vs Win

【Windows XP】メニューはもちろん、ダイアログの中のボタンやチェックボックスの操作も含めて、すべて「Alt」とほかのキー(「アクセスキー」と呼ぶ)の組み合わせで操作できるよう設計されている


(次ページに続く)

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