街全体がひとつの無線LANスポットに!
まずはiPod touchで公衆無線LANを使った感想からお伝えしよう。iPod touchを出先で使って何より新鮮だったのは、公衆無線LANサービスを「点」ではなく「面」のイメージで実感できたということだ。
今や繁華街やオフィス街には公衆無線LANサービスの電波があふれている。今回のように複数のサービスを利用すれば、あるアクセスポイントにつないでSafariで「Gmail」をチェックし、ちょっと歩いたところでまた別のアクセスポイントにつなぎ直してGoogleマップ(をベースにしたiPod touch向けサイト)で目的地を検索するといったことが、いとも簡単に行なえてしまう。
まるで街全体がひとつの無線LANスポットになったような感覚になる。
郊外でも同様だ。駅前であれば無線LANスポットはそこそこある。例えば、ファストフード店に入ってアクセスポイントにつなぎ、気になっていた曲を「iTunes Wi-Fi Music Store」で購入。そのあと「YouTube」の人気ビデオを視聴し、さらにバス停に移動するまでの間にまた別のアクセスポイントにつなぎ直して、今度はSafariのRSSリーダーで最新ニュースをチェックする──といったことを筆者は実際に体験してきた。
モバイルWiMAXを先取り!?
しかもiPod touchの無線LAN機能は、過去に利用したことのあるサービスなら、次回から自動で接続してくれる。1ページ目で紹介した接続設定を1度行なうだけで、ユーザーはその都度、アクセスポイントを選ぶ必要がなくなるのだ。
これはもうシームレスというべきか、ユビキタスというべきか。行く先々でネットが使えた今回の場合、来年開始予定のモバイルWiMAXの魅力を垣間見たような気がした。
ただし、自動で切り替えてくれるのはアクセスポイントの選択だけで、サービスへのログインは手動で行なう必要がある。とはいえ、公衆無線LANサービスの中には、「FREESPOT」のようにログイン不要のサービスもあるので、こうしたサービスであればアクセスポイントの自動切り替えを待つだけで引き続きネットを利用できる。これは実に手軽だろう。
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