第5位 イタリア軍
ポークパテ缶
そう、またイタリア軍だ。塩味でちゃんと豚肉の味がする。これもクラッカーに載せて食べると旨い。もちろんパテなので脂っこい。これだけ3食出されたら飽きるけど、おにぎりの具にしたらそれはそれで旨そうだ。
第4位 アメリカ軍
ビーフエンチュラーダ缶
米軍のMREと言えばマズイ食い物の代名詞だったらしいが、このビーフエンチェラーダはそんな印象を払拭する。元々メキシコの料理で、トルティーヤにビーフやその他の具を挟んで焼いたものだ。見た目はべちゃっとしているようだが、口に含むとトルティーヤの部分は充分な歯ごたえがある。柔らかい春巻きのような歯ごたえと言えば良いだろうか。それを噛み切ると中からチリ風味のビーフの味が広がってくる。
第3位 アメリカ軍
ビーフシチュー(寒冷地仕様)
また米軍だ。RCW(Ration, Cold Weather)と呼ばれる、文字通り寒冷地仕様のフリーズドライ食品。基本的には海兵隊が寒冷地で使用するために開発されたもので、パッケージが白いのも冬期用カモフラージュのためとのことだ。
味は、敢えて言えばじっくり煮込んだお袋のシチューの味というところ。これほど味が染みこんだ野菜がちょっと前までフリーズドライだったとはとても信じられない。ということで、北村記者は袋を抱え込む。
第2位 フランス軍
マグロとジャガイモの煮込み缶
マグロとジャガイモを酸味のきつくないトマトスープで煮込んだものだが、きちんと素材の味が生きていて、かつ味付けもくどくない。缶詰の味とは思えない旨さだ。東京キャロルさんの奥の厨房(想像)で仕込んだ料理を出してるんじゃないか、ってくらい旨い。嗚呼、これでワインがあれば……。
第1位 フランス軍
田舎風シチュー缶
シチューの味は濃すぎず薄すぎず、日本人の舌でも絶品と感じる味加減。副食として添えられている味の薄いクラッカーと合わせればなお良し、という感じ。これなら冷めていても充分食べられる。もちろん、日本人ならアツアツのご飯と合わせて食べたいところだ。
全世界に展開するフランス軍やフランス外人部隊の兵士は、酷暑の砂漠やジャングルで今日もこの缶詰を開け、故郷の味に家族との団らんを思い描いているのかもしれない。
ということで、ナンバーワンはフランス軍のレーション。1位、2位を独占とは、さすが美食大国だけのことはある。最初に戦闘糧食として瓶詰めを発明したのもナポレオン時代のフランス。同時代の日本は、まだ江戸時代で戦闘糧食は干し飯とか味噌玉だったことを考えると、フランス人の味へのこだわりを強く感じられる結果となった。
(後編に続く)
※記事内の旗画像は、日本国外務省のウェブサイト、およびFOTW Flags Of The World siteの画像を使用しました。
※お詫びと訂正:記事初出時、第2位に「若鶏とジャガイモの煮込み缶」とありましたが、正しくは「マグロとジャガイモの煮込み缶」になります。記事を訂正し、お詫びいたします。