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斉藤博貴の“タイ鉄道写真紀行” 第5回

鉄道写真のミラクル! 「虹」を背景に撮る

2007年11月07日 19時53分更新

文● 斉藤博貴

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望遠系レンズを多用できない南国事情


 今回、どうしてボクが標準ズームにこだわってるのかというと、実は手軽さ以外にも理由がある。タイなどの高温多湿気候の地域では、空気中の水蒸気が太陽光を乱反射することによって薄いガス(霞のようなもの)が発生する。おかげで、望遠系レンズを用いて被写体から離れて撮影すると、描写のコントラストがかなり低下してしまう。 日本なら冬を待てば気温が下がるので、被写体からかなり離れてもクリアーに撮れるのだが、常夏の国ではそれはちょっと無理な相談だ。

望遠系レンズでメクロン河永久橋を撮影

【作例】後日、友達の車でカンチャナブリーを訪れる機会があったので、望遠系レンズでメクロン河永久橋を撮影してみた。気温と湿度のせいでやっぱりかすんで見える。やっぱり近接撮影のほうが確実だ。使用機材:「E510」+「Zuiko Digital ED50-200mm F2.8-3.5」(F6.3 1/500秒 ISO 200 AWB 焦点距離は35mmフィルム換算で400mm)

 特にカンチャナブリー周辺のように、大量に水が蒸発する川や水田を挟んだ撮影地では、ガスがかかったような描写になりやすい。カメラを三脚に設置する時点で視界がクリアーだったとしても、その直後に気温が上昇して急激に水蒸気が発生する可能性もある。だから、結局は標準ズームで被写体に適度に接近して撮るのがいちばん確実なのだ。

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