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日本ビジネスオブジェクツがカルテシスを統合、EPM事業の強化に乗り出す

2007年10月18日 20時48分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本ビジネスオブジェクツは、10月17日、買収したカルテシスの日本法人を統合し、EPM事業を強化すると発表した。併せて製品ラインナップについても統合し、新たにビジネスオブジェクツブランドで売り出す。


EPM事業を新設、製品ラインナップも統合


 仏ビジネスオブジェクツは、今年6月、財務管理/業績管理ソフトを手がける仏カルテシスを買収。今回の事業統合もこうしたグローバルの動きに合わせたもので、カルテシスの日本法人であるカルテシス・ジャパンを10月1日付けで日本ビジネスオブジェクツに統合した。併せてEPM(Enterprise Performance Management)事業部を新設し、常務取締役EPM事業部長には旧カルテシス・ジャパンの代表取締役社長を務めた中西 正氏が就任している。

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日本ビジネスオブジェクツ常務取締役 EPM事業部長の中西 正氏

 EPM事業部の新設に合わせ、日本ビジネスオブジェクツはEPM分野の事業強化に乗り出す。既存製品に加え、国際標準に準拠した財務連結処理、コーポレートガバナンス、リスク管理、コンプライアンス対応などの機能を持つ製品群を追加し、「BusinessObjects EPM XI」として提供する。EPM XIは、収益シミュレーションや予算策定などを行なう「BusinessObjects Planning」、財務連結を行なう「BusinessObjects Finance」などから構成される。

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BusinessObjects EPM XIの全体像

 中西氏は、「CFOの課題は正確性、スピード、多様性、リスク。ERPだけでは業績管理は不十分」として、EPM XIがこれらのニーズに応えるものだと説明。代表取締役社長の印藤公洋氏は、「当社の顧客が管理している膨大なデータの中身も、実は業績管理に関係するものが多かった。従来は『手作りで作りましょう』といわざるをなかったが、今回の統合によってニーズに応えることができる」と事業統合のメリットを話した。

 旧カルテシスは、1990年に設立された財務/業績管理ソフトの専業ベンダー。グローバルで1300社の顧客基盤、600名の従業員を抱え、フランスに本社を置いていた。日本には30社の顧客企業があり、日産自動車や大日本インキ化学工業などで導入されている。

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代表取締役社長 印藤公洋氏

「現時点ではコメントない」――SAPによる買収に印藤氏


 日本ビジネスオブジェクツの親会社である仏ビジネスオブジェクツは、10月7日、独SAPによる買収に合意すると発表した。買収総額は68億ドル(約7900億円)で、買収手続きは来年第1四半期中に完了する見込み。買収後もビジネスオブジェクツはグループ内で独立して事業を展開する予定とされている。今回の記者発表会ではこれに関連して今後の日本法人の方針についての質問も出たが、印藤氏は「公表されている情報に対して特に付け加えることはない」として明言を避けた。

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