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2007年10月19日更新

第7回 クライアントとの言った、言わない問題…… 情報伝達の「コミュニケーション・マネジメント」

土谷政則さん

株式会社富士通ラーニングメディア
研修事業部シニアインストラクタ
プロジェクトマネージャ
土谷政則さん

プロジェクトを成功に導くには、プロジェクト推進に関する正しい知識と、そして的確な判断と行動が必要不可欠。それを行なうのがプロジェクトマネージャーで、プロジェクト成功の鍵を握る重要な職種だ。しかし、このプロジェクトマネジメントが的確に実施されていないため、プロジェクトが成功に至らないケースも多い。そこで、ありがちなプロジェクトの失敗例に迫りながら、国際資格「PMP(Project Management Professional)」のバイブルとも呼ばれる「PMBOKガイド」をプロジェクト成功のためにどのように役立てるかを、全10回に渡り解説する。

ステークホルダーを含むコミュニケーション

 前回の「第6回チーム・マネジメント」では、情報の重要性と、正しく情報が伝えられる環境づくりの大切さを解説しました。  しかし、このチーム・マネジメントとは主にメンバー同士やメンバーとプロジェクトマネージャーの間のマネジメントなのですが、今回解説するコミュニケーション・マネジメントは、それ以外のステークホルダーも含むマネジメントです。つまり、プロジェクトに関わるすべての人とのコミュニケーションをマネジメントするものです。チーム・マネジメントができている場合でも、コミュニケーション・マネジメントの欠如によってプロジェクトがうまくいかない場合があります。

 PMBOKガイドにも、コミュニケーション・マネジメントについて「プロジェクトを成功させるために必要とされる人と情報を結びつける重要な役割を果たす」と書いてあります。

コミュニケーション・マネジメントのよくある失敗、メールにおける情報伝達の落とし穴

 ステークホルダー含むすべての人間をマネジメントするコミュニケーション・マネジメントでは、関係者と直接会えないため、その情報伝達方法をメールに依存せざるえない場面も多いでしょう。その際「カーボンコピー(CC)」の機能を使って、関係のある人すべてに同じメールを送ることがよく行なわれるはずです。これは関係者全員に情報を行き渡らせるという意味合いにおいては、効果がある方法と言えます。しかし、行き交うメールがあまりに膨大だと、すべてのメールに詳細に目を通せないということが起こります。それでは、ただ情報を送っただけで、情報を伝えていることにはなりません。

 これはコミュニケーション・マネジメントの欠如と言えます。特にプロジェクトの終盤は、確認する事柄が多くなり情報の量も増え、目を通さなければならない資料やデータが次々にメールに添付されてきます。それに加え、1つ1つの情報の重要度が増すため、重大なトラブルが発生しかねないので注意が必要です。

 また、この伝えるべき情報についでですが、「必要な情報」というのは、受け手のポジションやプロジェクトの進行段階によって異なるという意識を強く持つべきです。たとえば、新しいシステムを導入する場合を考えると、情報の受け手がクライアントの進捗管理担当者なら期日どおりに稼働するか進捗状況が気になるし、予算管理担当者ならコストに関する情報が必要になります。このように情報は受け手によって異なり、さらにプロジェクトの初期段階や終盤など時期によっても異なるので、単一に情報を伝達しても意味がないと考えて下さい。

次ページへつづく

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・プロジェクトリーダーのための心理学 ~基礎編~
・プロジェクトリーダーのための心理学 ~実践編~

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