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バーチャル受付嬢Mikiや、3Dテレビで「リッジレーサー7」

【レポート】最先端CG作品や制作技術が堪能できた4日間――ASIAGRAPH2007

2007年10月18日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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自然とデジタルのアートな融合


 先端技術展では、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)が「木とデジタル~テクノロジーが生み出す“新しい自然”~」を出展していた。

「木とデジタル」ゾーン

「木とデジタル」ゾーン

 「木とデジタル」は、JSTの戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究プロジェクトである「デジタルパブリックアートを創出する技術」プロジェクトの活動により、東京大学先端科学技術研究センターの廣瀬通孝教授を中心に、メディアアーティストの岩井俊雄氏らのプロジェクトメンバーによって制作されたもの。今回の展示は5月に東京・青山スパイラルガーデンで行なわれた内容と同様のものだが、若干配置場所などが異なる展示となっていた。

 最も目立つ白い円筒形状をした「まばたきの葉」は、中にファンが仕組まれており、常に空気が吹き上がっている。来場者が拾った「まばたき」の葉(開いた目と閉じた目が描かれた紙)を入れると、空間に無数の「まばたき」を落とす仕掛けにだ。ここに使われている葉は「リーフコード」でシルエット化したもので、葉が降り積もった場所には「時空のカーペット」が敷かれている。

まばたきの葉/時空のカーペット

「まばたきの葉」/「時空のカーペット」

Sharelogの木

「Sharelogの木」

 時空のカーペットは、床に描かれた無数の時計のパターン模様を専用のディスプレーで見ると異なる風景に見えるというもの。壁や地面のタイルを使って、街のさまざまな場所に情報を潜ませることができる。「リーフコード」は葉脈に情報を埋め込んだ新しいIDシステムで、“顔”を情報の手がかりに自分だけの葉をつくることができる。

リーフコード

「リーフコード」

 「Sharelog(シェアログ)の木」は、非接触型ICカード(SuicaやPASMOなど)に記録されたデータを利用して、人それぞれの生活を木や森という形に表現するもの。「ログログ」は高性能なひずみセンサーが取り付けられたインテリジェントな丸太だ。人が乗った時に生じるひずみを計測し、下に投影した川の流れをひずみ値と流体計算を組み合わせて、リアルタイムに変化させている。

ログログ/時空のカーペット

「ログログ」

Strinoの葉

「Strinoの葉」

 「Strino(ストリーノ)の葉」は風や雨粒などの影響で植物のかすかな動きに反応して、音を鳴らすもので、植物のような自然のものにセンサーを取り付け、微妙な変化が測定できる。

超高精細映像と生命的立体造形が反応する新伝統芸能空間の創出技術

「超高精細映像と生命的立体造形が反応する新伝統芸能空間の創出技術」JST CREST(東京大学河口チーム)。「Gemotion Screen」の前で飛び跳ねたりして楽しむ来場者

 このほか、JST CREST関連では河口洋一郎研究室による「超高精細映像と生命的立体造形が反応する新伝統芸能空間の創出技術」が展示されていた。展示にはレセプションでも活躍した、身体表現に反応してCG画像をコントロールする「Gemotion Dance」や、3D CGにリアルタイムに反応して実際に凹凸するという世界初の立体スクリーン技術「Gemotion Screen」などが紹介されていた。

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