E-3の付加価値はどこに見出すか
発表会終了後の質疑応答では、スペック面で競合に劣る部分に対してどういう見解を持っているかという質問も出た。具体的には「有効1010万画素の画素数」「対応するISO感度の低さ」「連写性能」「本体サイズの大きさ」などだ。
E-3は一般的なAPS-Cサイズよりも一回り小さなフォーサーズ規格の撮像素子を採用している。質問の意図には、同じ画素数では画素サイズがAPS-Cサイズよりも小さくなるため、高感度対応が難しいのではないか、本来小型化が可能なフォーサーズ規格の利点が生かせていないのではないかといった内容も含まれている。
上記の質問に対してオリンパスの担当者は、画質に関しては画素数だけで決まるわけではないこと、ISO感度や連写速度に関しては常用するのに最低限必要な基準は超えているといった回答が示された。ボディーサイズに関しては、ラインアップごとに最適なサイズを考えているということで、E-3では信頼性の部分を特に意識。堅牢性や大型のペンタプリズムを実現する搭載する上で、必要なものとして決定されたのだという。
総合すると、細かな部分で他社のフラッグシップ機に劣っているスペックはあるのは確かだが、その一方で最大5段分までと高い精度を持った光学式手ぶれ補正や高速なAF、視野率100%のファインダーなど特筆すべき仕様を持っており、そういった得意分野を伸ばす設計を狙ったのが、E-3だという。
また、オリンパスの担当者は、(こういった質問が出ることは)「他社と比較しうる製品をなんとか提示できていることの裏返しであり、ようやく2強と渡り合える製品として認識されてきたのはうれしい」という主旨のコメントもしていた。
また、発表会では「第3の価値軸」として「高画質と高い機動性」の2点を挙げていたほか、E-1の発表時からアピールされていた「600mm相当の撮影を手持ちで行なえる」「ネイチャーフォトのトップランナーを目指す」といった部分に関しても再確認された。
追加されたアクセサリー製品
E-3と同時発表されたアクセサリーに関しては、既報のレンズ4製品(ズームレンズ3本+テレコンバージョンレンズ)に加え、Eシステム共通のアクセサリーとして、ワイヤレス多灯撮影制御に対応したフラッシュ「FL-50R」(6万2500円)、「FL-36R」(3万2000円)、視度補正アイカップ「DE-P3」(プラス補正拡張用、2700円)、「DE-N3」(マイナス補正拡張用、2700円)、アイカップ「EP-7」(1750円)、グリップストラップ「GS-3」(3000円)などが用意されている。発売時期は、FL-36Rが12月、残りは本体と同じ11月23日。
これ以外に、E-3専用アクセサリーとして、外付けグリップをかねたパワーバッテリーホルダー「HLD-4」(2万3500円)、セミハードケース「CS-7SH」(5600円)もE-3本体と同時発売される。また、E-3はフォーカシングスクリーンを方眼マットに交換が可能だ(サービス対応)。
レンズ製品に関しては、いずれも超音波モーターを内蔵。E-3の高速なAFと合わせて快適なレスポンスを得られるとされている。
過酷な天候変化に対応するという観点では、同社の提供するZUIKO DIGITALレンズでは、3種類のグレードのうち上位2つ(HIGH GRADEとSUPER HIGH GRADE)は、E-3同様の防塵防水対応となっている。HIGH GRADEタイプであれば、10万円以下~10万円台前半の価格帯でも入手できるので、他社に比べて非常に安価なのも利点になりそうだ。コンバージョンレンズは、すべてのZUIKO DIGITALレンズを装着可能。魚眼レンズなどにも利用できるのは他社のシステムにはない特徴と言える。
フラッシュに関しては、従来製品に「FL-50」と「FL-36」にワイヤレスRCフラッシュ制御機能を追加したものとなる。最大3つのグループ分けが可能で、E-3使用時には、外部コマンダーを追加することなく、ボディー内蔵のストロボでコマンド制御できる。ガイドナンバーの低いFL-36Rにはフラッシュスタンドのみ、FL-50Rにはフラッシュスタンドに加え、バウンスアダプターとリフレクアダプターも付属する。