「日本は危うい、停滞気味ではないか」と月尾氏が警鐘!!
【レポート】アジア地域発の一大CGイベントがアキバで開幕――ASIAGRAPH2007
2007年10月14日 14時46分更新
エヴァやガンダムだけじゃない! 基盤技術にも注目した
デジタルコンテンツグランプリ受賞作品
続いて、第22回 デジタルコンテンツグランプリの贈賞が執り行われた。受賞作品と受賞者は以下の通り。
- 経済産業大臣賞
- 「Spear」「Spear Multi」(株)吉田鎌ヶ迫
- DCAJ会長賞
- 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(株)カラー
- 技術賞
- 「緊急地震速報実証実験プロジェクト」(社)電子情報技術産業協会(JEITA)特定プロジェクト推進質室
- 技術賞
- 「演出シェーダー『LoCoStySh』」(株)オー・エル・エム・デジタル(安生健一、曽良洋介、ウィリアム・バクスター)/東京大学五十嵐研究室(藤堂英樹、五十嵐健夫)
- 優秀賞
- 「ガンダム無双」発売:(株)バンダイナムコゲームス/開発:(株)コーエー
最後に東京大学名誉教授の月尾嘉男氏が総評を行った。「(デジタルコンテンツグランプリ、デジタルクリエイターズ コンペティションともに)例年2月に開催していましたが、今回はASIAGRAPHと同時開催ということで半年早まることになりました。選考期間が短くなったためか、応募数も十分な数とは言えませんでした。次回からは(毎年)10月ということになりましたので、作品数も増えるだろうと期待しています。ケベック州は早くからCG関連事業が盛んで、国がバックアップしていますし、躍進著しい韓国からも多くの応募がありました。(そうした状況を見ると)『日本は危うい、停滞気味ではないか』と感じます。ぜひ、頑張ってほしいと思います」と今回の特殊な状況について説明した。さらに「今回からDCGPの方針が変わって、エヴァンゲリオンやガンダムの関連が受賞したのは従来路線と言えますが、『Spear/Spear Multi』や『緊急地震速報実証実験プロジェクト』などの技術を重視した内容が受賞しました。これは『技術の進歩も大事』という考えからくるものです」と述べ、従来のようにコンテンツそのものの路線を残しつつも、新たにコンテンツ制作に関わる基盤技術にもフォーカスされるとした。