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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第1回

両手で優しく使って「iPhone」

2007年10月18日 17時52分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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片手で操作しにくい


 電話としてiPhoneを使った感想を一言でいえば、「片手だけでは操作しにくい」というもの。

 僕はauの「MEDIA SKIN」やソフトバンクの「911T」を普段使っている。これらの端末に比べると、iPhoneは15mmくらい幅が広く、厚さは日本の極薄ケータイに迫る11.6mmと薄い。もちろんヒトによって手の大きさは違うのだが、僕からすると、ちょっと幅が広すぎてしかも薄いため、ホールド性に欠けるのだ。

「MEDIA SKIN」

「MEDIA SKIN」

「SoftBank 911T」

「SoftBank 911T」

 金属質で角が落としてある背面も、それに拍車をかける。ポケットやホルダーから取り出すとき、あるいは机から持ち上げるとき、相手に路上で手渡すときなどは、「滑って落下させてしまわないか」と緊張が走る。

 電話をかける操作も、場合によっては気をつかうことになるだろう。iPhoneは、普通のケータイ以上に大きなリストやボタンが画面に表示されるため、電話帳からかける相手を選んだり、直接ダイアルする操作は簡単だ。

 しかし前にも触れたように、爪の問題は残る。爪の長い人は、なかなか指の腹でボタンを押すことができず、指を相当寝かせることになる。そうすると、やはり片方の手でiPhoneを持って、逆の手で操作するしかなくなってしまう。

片手で操作

片手がふさがっている場合、iPhoneで電話をかけたり、受けたりすることに気をつかうことになる。iPhoneの画面は指でしか反応しないため、特に爪の長い女性などは操作が大変だ



受けたり、通話するのも難しい


 電話を受けるときも同様だ。電話がかかってくるときは、iPhoneはたいていスリープ状態で、通話に出ようとするとホールド解除の動き、つまり画面の下部にあるバーチャルなスライドスイッチを左から右へ動かして、電話に出ることになる。

 ホールド解除と通話開始を1つのスイッチで実現するのはいいのだが、これも片手がふさがっているときに応答するのは至難の業だろう。

 通話中はよりやっかいで、30秒ごとに持ち方を変えながら、最もホールド性の高い状態を模索する有様。慣れの問題もあるとはいえ、今までのケータイ人生の中で、10日経ってもどうやって構えればいいか分からないなんて端末に出会ったのは初めてだ。いずれにしろ、両手で通話関連の操作をしなければならないケータイなんて、ちょっと面倒じゃないですか。

 そうした片手で使いにくいと感じるのは何も僕だけでなく、米国のユーザーも同じ気持ちのようだ。


(次ページに続く)

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