2000年3月、蒸気機関車牽引観光列車の定期運行は蒸機の消耗を理由に終了した。おかげで同年5月に、日本への本帰国に成功した。しかしながら、今でも日本からタイに通う状態が続いているということは言うまでもない。
クルンテープ駅でブルートレインを発見
「プロー・サープ、プゥー・ドイサーン、ワー」というタイの鉄道駅でよく耳にするアナウンスが聞こえる。意味は「乗客の皆様にお伝えします」だ。クルンテープ駅に到着したボクは、ブルートレインが組み込まれている急行列車83番トラン行きが停車しているはずの4番ホームへ急いだ。
目的とする列車の発車時間は17時5分だ。タイ国鉄では三等客車でも乗客数が座席数を上回らない限りは全席指定となっている。大型連休前などでない限りは始発駅では座席取りの必要はない。おかげで、多くの乗客が出発直前までプラットホームで時間を過ごす余裕がある。そんな人々が今日の被写体だ。

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