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【レビュー】全面タッチパネルのコンパクト機 ソニー サイバーショット DSC-T200

2007年10月09日 11時00分更新

文● 行正和義

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 ソニー(株)のサイバーショット Tシリーズは、屈曲式ズームレンズ搭載による非常に薄いボディーと軽快な操作感が特徴のコンパクトモデルで、“スリム・スタイリッシュ”をコンセプトとするサイバーショットの中でも、最も同社らしい製品と言える。そのTシリーズの最新モデルが「サイバーショット DSC-T200」だ。

「サイバーショット DSC-T200」

人気のコンパクトデジカメ「Tシリーズ」の最新最上位モデル「サイバーショット DSC-T200」

 T200では、有効810万画素の撮像素子や手ぶれ補正付き屈曲光学5倍ズーム、ハイビジョン出力といった基本スペックは、従来機「DSC-T100」(関連記事)と同一ながら、新たに背面全体を占めるタッチパネル付き3.5インチワイド液晶ディスプレーが大きな特徴となっている。

正面から。前面の大部分を占めるレンズカバーを下に押し下げると、レンズが現われて撮影モードで電源が入る。グリップ側のストラップ取りつけ金具に面する部分は動かず、レンズカバーのレールガイドとなると同時に、わずかな厚みながら持ったときの指掛かりになる

前モデル「DSC-T100」の正面図

前モデル「DSC-T100」の正面図。写真左側の銀色の部分がグリップだった

 T200のフロントビューは従来のTシリーズと大きな違いはない。本体を左右に横切る帯状のレンズカバーを下に押し下げると、レンズが現われて撮影可能となる点も同様だ。ワイド液晶ディスプレーに合わせて本体形状が変更され、幅で約2mm広く、高さで約2mm小さくなっている。特に形状の違いが大きいのは右側面のストラップフック兼用グリップで、コの字型の大きな金具となった。これは背面が全面液晶ディスプレーになったので、ホールド時に指(右手親指)を置く場所がなくなり、その代わりにストラップフック背面に指を当てるようになっているためだ。

本体上面

本体上面。左から電源ボタン、再生モード切り替え、シャッターボタン、ズームレバーが並ぶ。カメラ本体の厚みはレンズ部を収納する左側が若干厚くなっているが、レンズカバーの厚みで本体前面は背面とほぼ平行になっているのは従来機と同様だ

本体左右側面

本体左右側面。電池室、インターフェース部は下部にあるので、シンプルな側面となっている。グリップ側のストラップ金具は大きめで持ちやすい

「DSC-T50」の背面

「DSC-T50」の背面

 電源ボタンや再生モードの切り替えボタン、シャッターボタンとズームレバーが本体上面にあるほかは、すべての操作を液晶面のタッチパネルで行なう。タッチパネル操作のデジタルカメラとしては、同社の「DSC-N1」(関連記事)や「DSC-T50」(関連記事)があったほか、同社以外でもペンタックス製品にいくつかモデルがある。しかしN1やT50では背面にズームレバーやメニューなど機械的なボタンが若干配置されていたのに対し、T200では背面はワイド液晶以外なにもないという思い切ったデザインとなっている。

本体背面は全面が液晶画面となっていて、印象的なデザインとなっている

本体背面は全面が液晶画面となっていて、印象的なデザインとなっている。大きなストラップ取りつけ金具の背面には滑り止めのモールドも施され、ホールド性は思いのほか悪くない。液晶画面に表示しているのは4:3撮影モードのステータス表示で、カットされた両側が各種アイコン(タッチボタン)となっている

16:9表示の場合は液晶画面全体が撮影画面となる

16:9表示の場合は液晶画面全体が撮影画面となる。両側の各種アイコンは画面とかぶってしまうが、それほど邪魔ではない。写真はプログラムオート撮影モードの状態で、液晶下には1段のアイコン列が追加され、露出補正やISO感度設定が可能となる

 液晶ディスプレーは縦横比16:9のハイビジョンサイズだ。サイバーショットシリーズは従来より16:9の撮影モードを持っていたが、撮影時にディスプレーに映る画像は上下を切った状態となっていた。T200では16:9ワイドの画像が、液晶ディスプレーいっぱいに表示されて撮影できるのはおもしろい。

 4:3撮影時にはディスプレーの左右が切れた状態になるが、この部分にはアイコン列がうまく配置されているので、アイコン等が画像に被って撮影の邪魔になることがない。アイコンの配置などタッチパネルの操作はかなり考えられており、オート(いわゆるフルオート撮影)に比べてプログラムオート(ISO感度や露出補正などが設定可能)などの撮影モード時に画面上に表示されるアイコンも、被写体の確認に邪魔になりにくいよう配置されている。

撮影時のメイン画面で撮影モードをタップするとオート/シーン/プログラムオート/動画の選択バーで表示される

撮影時のメイン画面で撮影モードをタップすると、オート/シーン/プログラムオート/動画の選択バーで表示される。そのうちシーンをタップするとISO(高感度)/スマイルシャッター/人物/夜景スナップなどの選択バーが表示される

プログラムオート撮影モードでフォーカスモードのアイコンをタップしたところ

プログラムオート撮影モードでフォーカスモードのアイコンをタップしたところ。画面上にアイコンが表示され、タップして選択する。オートやスポット、タッチフォーカスのほか、1/3/7mの固定もあるので、スナップ撮影時には意外と重宝しそうだ

 さらに、プログラムオートでフォーカスモードを「スポットAF」にすると、液晶ディスプレーでタッチした位置がAF点になるほか、オートモードでも撮影時に画面上の被写体をタップすることで、その被写体にフォーカスが合う仕組みになっている。

フォーカスモードをタッチフォーカスにしたところ

フォーカスモードをタッチフォーカスにしたところ。指で触った位置(写真中央のカギ括弧で囲まれた範囲)がフォーカス点となる

撮影時メニューを呼び出すMENUボタンのほかに、「HOME」と呼ばれるメインメニューを呼び出すボタンがある

撮影時メニューを呼び出すMENUボタンのほかに、「HOME」と呼ばれるメインメニューを呼び出すボタンがあり、より詳細な機能設定ができる。ボタンが画面上のタッチボタンである点を除けば、最近のサイバーショットシリーズに共通するインターフェースだ

 顔認識機能も進歩して、新たに「スマイルシャッター」機能が搭載されている。シーンプログラムで「スマイルシャッター」モードを選択し、カメラが人の顔を認識したのちにシャッターを押すと、あとは被写体が笑えば自動的にシャッターが切れる仕組みだ。

 実際に試してみると確かにきちんと笑顔は撮れるのだが、シャッターを切るためにわざと笑おうとすると、やや不自然な作り笑いになりやすい。どの程度の「笑顔」を認識するかのしきい値は3段階用意されており、笑顔への感度を設定できるようになっている。ただし、どの程度までを“笑顔”として認識してくれるのかはなかなかつかみづらく、試しながら慣れていく必要があるだろう。

 このほかにも、撮影後のレタッチではタッチパネルの機能を生かして、文字やイラストを直接撮影画像に書き込める。また、フォトフレームを配置する機能や、放射状にぶれさせてスピード感を出す画像処理、レトロ調の階調および色調に補正する機能などが加わっている。従来機同様にオプションのクレードルを用いれば、撮影画像のテレビへのハイビジョン出力が可能である。

T200の付属品

T200の付属品。バッテリーチャージャーとストラップ、AV/USBケーブル(本体下部の専用コネクタに装着してAV出力とUSB端子に分岐する)などが付属する。ストラップ金具の形状に合わせて平たいベルト状のストラップが付属するといった工夫がないのはやや物足りない。チャージャーの手前にあるのはストラップにひっかけられる小型のスタイラス、本体の上側にあるL字型のものはクレードル(オプション)にセットするためのガイド

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