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「文書化で終わりではない」――ベリング、日本版SOX法の評価支援サービスを開始

2007年10月02日 21時51分更新

文● アスキービジネス編集部

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ベリングポイントは、10月2日、日本版SOX法対応にあたる上場企業を対象に、内部統制の有効性評価を支援するコンサルティングサービスを開始すると発表した。内部統制の評価段階における見落としやミスを防ぐため、評価基盤の確認から計画策定、実施までを支援する。


3つのサービスメニューで評価の失敗によるリスクを防ぐ


「文書化については理解が進んでいて、一生懸命取り組んでいる企業が多い。しかし、日本版SOX法対応は、“文書化が終わったら終わり”ではない。有効性評価への理解が進んでいない」。ベリングポイントのマネージングディレクターである新井 聡氏は、企業の日本版SOX法への対応状況についてこう指摘する。

「文書化で終わりではない」――ベリング、日本版SOX法の評価...

ベリングポイント ディレクター 山本浩二氏

 2008年4月の日本版SOX法のスタートまで残り半年を切り、多くの企業は文書化などの内部統制の整備にあたっている。だが、「日本版SOX法の本番は、文書化ではなく評価」(同社ディレクターで公認会計士の山本浩二氏)。日本版SOX法では、経営者が内部統制の有効性を評価し、最終的に「内部統制報告書」を提出することが求められているためだ。

 問題は、有効性評価に対する理解の遅れとスキル不足。「実際の評価作業は、経営者の指揮下にある社内の専門部署が行ない、最終的に経営者が確認する場合が多い。専門部署のスキルや理解が足りないと、内部統制の欠陥を見落としてしまう恐れもある」と山本氏は指摘。新井氏も「米国SOX法の対応にあたった企業には、“文書化ではなく評価が大変だった”との声もある」と話す。

「文書化で終わりではない」――ベリング、日本版SOX法の評価...

評価に失敗した結果、内部統制が有効と表明してしまうと虚偽表示になるリスクがある

 そこでベリングポイントは、コンサルティングサービスの新メニューとして「経営者のための評価支援サービス」を開始する。同社は、「内部統制が有効ではないのに、有効であると意見表明してしまうこと」(山本氏)を“経営者の評価リスク”と定義し、新サービスではこうしたリスクを防ぐことを狙いとする。

 サービスメニューは、(1)「評価基盤の確認」、(2)「評価計画の策定支援」、(3)「評価手続きの実施支援」の3つ。同社が約100社に対して提供している内部統制コンサルティングで得たノウハウを活用してサービス化した。

 (1)では、評価の基本方針書やガイドラインなどの手続き書類とRCM(リスクコントロールマトリクス)などの評価対象文書の診断を実施。

 (2)は、評価計画やガイドラインの策定、評価調書の様式や体系などの確認を行なう。

 (3)は、評価手続書の策定や実施指導、評価調書のレビュー、実施ガイドラインの策定などの実際の評価の実施を支援する。

 想定料金は、1社あたり500万円から。既存の顧客企業を中心に売り込み、初年度123億円の売上を見込む。このうち、新規顧客の獲得見込みは15社、11億円である。

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