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独立すれば、キラリと光る SEのための起業塾 第11回

第11回 不確実を確実へと転換! ビジネスに必須のリスクマネジメントとは

2007年10月09日 11時15分更新

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3つのリスクマネジメント

●取引先や得意先倒産のリスク→取引先や得意先を分散する
 取引先や得意先が一定企業に集中すると、連鎖倒産の危機が高まります。したがって、出来る限り取引先や得意先を分散してリスクを軽減していきましょう。

 私も起業時は100パーセント、以前の勤務先からの受託仕事でした。それを1年後には70パーセント、2年後には50パーセントと徐々に依存度を減らしていきました。現在では30パーセント以上占める取引先はありません。

 最近ではM&Aが進んでいるため、ある日突然得意先の経営陣が一掃され、担当者不在で一気に仕事がなくなるというケースも珍しくありません。そのためにもやはり、一社への依存度を高くしないようにしていきたいものです。

●運転資金不足のリスク→多様な資金調達手段を学習する
 起業時は早期に運転資金不足のケースが多々あります。公的資金も含めて多様な資金調達手段を学習していくことが必要です。また、身の丈に合わない拡大志向や無謀な投資を避けることも大切です。

 私が初めて銀行から資金調達をしたのは起業してから3年目でした。現在の売り上げ規模で最短3年、最長5年で返せるような金額を考えて借りました。その積み重ねで、今まで何度も資金調達をしてきましたが、返済のために無理をしたことはありません。

●従業員の不正によるリスク→人材の育成を視野に入れる
 起業してしばらくすると、組織の規模を拡大するか否かの岐路に立ちます。仕事が順調に拡大してくると、当然、それをこなすための人材が不足してくるからです。

 特に危機管理に関しては、日頃からモラル(規律)とモラール(士気)を高める環境づくりが必要です。さらには、時代の潮流を読み取り、新しい技術に対応できるような柔軟性も養う必要があります。

 私の会社も最初は3人で初め、のちに5人、現在は7人、加えて委託契約しているSOHOは約500人にのぼります。当初は紙媒体の広告宣伝事業が主力の仕事でしたが、現在は7割がWeb制作になり、従業員も最初は紙媒体の編集しかできなかったのですが、時を経てWeb制作もできるようにしていきました。

 また起業時にISPのBBS管理(注1)の仕事で、約500名のSOHOによるボードリーダーの管理を委託されていた時期もあり、現在のように個人情報を厳しく言われなかった時期から、その取り扱いには細心の注意を払ってきました。顧客の仕事によって、自社もトレーニングされてきたのかもしれません。

注1:BBS(Bulletin Board System)
BBSとは、参加者が自由に文章などを投稿し、他の参加者とコミュニケーションできる電子掲示板のこと。

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