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基調講演レポート

【Adobe MAX 2007 Vol.1】やはり3D対応だった――Flash Player次期版

2007年10月02日 15時05分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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開発者に向けた3つのメッセージ

 そのほか、すでにサービス提供中だが、米Google社の「YouTube」や米MTV Networks(MTV)社のSaaS型動画編集ツール「Adobe Premiere Express」が紹介された。これらは、YouTubeもしくはMTVで提供されている動画を選択してストーリーボードに並べ、ビデオフィルターやトランジションエフェクトを一覧から選択(ドラッグ&ドロップ)するだけで、簡単にビデオクリップが作成できるというものだ。

MTVが提供しているSaaSタイプの動画編集ツール「MTV Video Remixer」(中身はAdobe Premiere Express)。マウスのドラッグ&ドロップだけで、オリジナルのプロモーションビデオを作成・視聴できる

 あらかじめ用意された動画を並べ替えたり、色味を変える、場面転換の効果を付けるといった簡易編集しかできないが、動画編集の初心者にも使いやすく、動画編集の基本的な流れが理解できる。編集した動画はYouTubeまたはMTV内でのみ再生できるため、コンテンツホルダー側は著作権を守りながら、効果的なアピールの場になるというわけだ。

 基調講演全般を通じて、リンチ氏は会場に集まったクリエイター/開発者に、特に3つのメッセージを強調していた。

     
  • Adobe Developer Connectionに参加し、活用してほしい
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  • UIを作るのではなく、Experience(ユーザー体験)を作ることを大事にしてほしい
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  • Adobe Labsで4つの新しいツール、「AIR Beta 2」「Flex 3 Beta2」「Dreamweaver AIR Extention」「Flash Authoring AIR Extention」が提供されているので、ぜひダウンロードして試してほしい
Adobe Labsで提供されている新しい4つのβ版ツール

Adobe Labsで提供されている新しい4つのβ版ツール

 「Adobe Developer Connection」は、開発者向けに情報を素早く情報を提供するとともに、開発者同士の結び付きを深めるためのソーシャルネットサービスだ。すでに数年前から提供されているが、Adobe Flexを使ってインターフェースを改良し、登録した自分のプロフィール(開発者かクリエイターか、どういう分野が得意かなど)によって円グラフ上にマッピングされ、自分に近いクリエイターやプロジェクトに必要な開発者を見つけ出すのに役立つという。

Adobe Developer Connectionの画面。3色のピンでユーザー同士の立場や仕事などを示している

Adobe Developer Connectionの画面。3色のピンでユーザー同士の立場や仕事などを示している。一番多い青いピンは一般参加者で、赤いピンはアドビの社員、黄色いピンはコミュニティーの管理者を示す

 2つ目については、「Glide UI」という言葉を使って、ユーザー操作による画面遷移を“連続的な動きで見せることが大事”だと説明した。実際、デモに使われたアプリの多くは、例えば画面の端にポインターを移動すると、メニューが「にゅるにゅる」とせり出してくるなど、ユーザーの操作がどのような影響を与えるのかが、見た目に分かるよう工夫されているものが多かった。

自転車レースの情報サイトのインターフェース

「UIではなくExperienceを作るんだ!」というクリエイターへのエールとともに紹介された、自転車レースの情報サイトのインターフェース。選手が走るコースの地図やテキストによる実況情報、数台のカメラが追走しながら撮った動画を組み合わせて、ユーザーが見たい情報を分かりやすいインターフェースで提供している。動画を見たければ動画の枠をクリック、カメラを切り替えたければ地図上のアイコンをクリックするという具合だ

 そのほか、数多くのAIRアプリケーションもデモされたので、以下に写真で紹介する。

ディズニーランドのツアープランを組み立てるAIRアプリ

米Disney Parks社と米frog design社が共同開発した、ディズニーランドのツアープランを組み立てるAIRアプリ。マウスドラッグで行きたい場所を選び、自分の住所や参加人数などを記入すると、予算や見どころを説明するパンフレットを含むPDFファイルが自動生成される

ミニブログとウェブブラウザーの機能を兼ね備えるソーシャルネットサービスのAIRアプリ。サービス名は「Tweetr 2.1」だそうだ

いわゆるミニブログとウェブブラウザーの機能を兼ね備えるソーシャルネットサービスのAIRアプリ。サービス名は「Tweetr 2.1」だそうだ。AIRではHTMLページの表示、いわゆるウェブブラウザー機能を実装できるので、会話に出てきたURLをTweetr内部で参照できるほか、注目したコンポーネント(ウェブページの一部分)だけをマウスドラッグで選択して、その部分のみ表示するというデモを見せた

不思議なAIRアプリの「デスクトップマグネット」

意味がありそうで、実はなさそうな、不思議なAIRアプリの「デスクトップマグネット」。冷蔵庫や会社のホワイトボードなどに意味もなく英単語を並べてしまうアレのAIRアプリ版だ

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