開発者に向けた3つのメッセージ
そのほか、すでにサービス提供中だが、米Google社の「YouTube」や米MTV Networks(MTV)社のSaaS型動画編集ツール「Adobe Premiere Express」が紹介された。これらは、YouTubeもしくはMTVで提供されている動画を選択してストーリーボードに並べ、ビデオフィルターやトランジションエフェクトを一覧から選択(ドラッグ&ドロップ)するだけで、簡単にビデオクリップが作成できるというものだ。
あらかじめ用意された動画を並べ替えたり、色味を変える、場面転換の効果を付けるといった簡易編集しかできないが、動画編集の初心者にも使いやすく、動画編集の基本的な流れが理解できる。編集した動画はYouTubeまたはMTV内でのみ再生できるため、コンテンツホルダー側は著作権を守りながら、効果的なアピールの場になるというわけだ。
基調講演全般を通じて、リンチ氏は会場に集まったクリエイター/開発者に、特に3つのメッセージを強調していた。
- Adobe Developer Connectionに参加し、活用してほしい
- UIを作るのではなく、Experience(ユーザー体験)を作ることを大事にしてほしい
- Adobe Labsで4つの新しいツール、「AIR Beta 2」「Flex 3 Beta2」「Dreamweaver AIR Extention」「Flash Authoring AIR Extention」が提供されているので、ぜひダウンロードして試してほしい
「Adobe Developer Connection」は、開発者向けに情報を素早く情報を提供するとともに、開発者同士の結び付きを深めるためのソーシャルネットサービスだ。すでに数年前から提供されているが、Adobe Flexを使ってインターフェースを改良し、登録した自分のプロフィール(開発者かクリエイターか、どういう分野が得意かなど)によって円グラフ上にマッピングされ、自分に近いクリエイターやプロジェクトに必要な開発者を見つけ出すのに役立つという。
2つ目については、「Glide UI」という言葉を使って、ユーザー操作による画面遷移を“連続的な動きで見せることが大事”だと説明した。実際、デモに使われたアプリの多くは、例えば画面の端にポインターを移動すると、メニューが「にゅるにゅる」とせり出してくるなど、ユーザーの操作がどのような影響を与えるのかが、見た目に分かるよう工夫されているものが多かった。
そのほか、数多くのAIRアプリケーションもデモされたので、以下に写真で紹介する。