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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第10回

商社の経理担当から音楽配信サービスサイトの編集長へ~異業種から転職成功の秘訣は何か~

2006年09月07日 00時00分更新

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野村貢さん(35) 株式会社USEN コンテンツプラットフォーム事業部 OnGen USEN MUSIC SERVER編集長

野村貢さん(35)
株式会社USEN
コンテンツプラットフォーム事業部
OnGen USEN MUSIC SERVER編集長

USEN株式会社の音楽配信サービスサイト「OnGen USEN MUSIC SERVER」の編集長を務める野村貢さん(35)。将来の目標を見出せずに悩んだ末、ついにたどり着いた“自分がやりたい仕事”をするために、30代にして未経験のIT業界へ転職を果たした。そんな野村さんは、どのようにして年齢やスキルなどのハンディキャップを克服したのか。

野村貢さんの転職成功のポイント
・これまでの経験をどのように生かせるかを職務経歴書に細かく書いてアピールした
・紆余曲折のキャリアを経て培われた明確な自分の意見を武器にできた
・「どんな雇用形態でも構わないから仕事をする姿を見てほしい」と意欲をアピールした

現在の会社へ転職する際の応募データ

応募した企業数面接した企業内定した企業
1社1社1社
企業を選んだポイント
これまでの経験を生かせるIT企業だったから

まずは自分の天職探しからスタート!

 野村さんは大学で教職課程を履修していたことから、漠然とではあるが教師を目指していた。ところが、大学4年生のときの教育実習で「生徒を指導できるほど、自分は何かを経験しているわけではない」と悩み、教師の道を断念。とりあえず一般企業で働こうと考え、1994年4月に専門商社へ就職した。経理部に配属された野村さんは、朝9時から夕方17時まで淡々と業務をこなす毎日を送った。だが3年ほど経つうちに、一生懸命になるものもなく何となく日々を過ごしている自分に疑問を抱くようになった。

「確たる目的を持たずに仕事をしているうちに『自分がやりたい仕事は本当にこれなのか?』という疑問が抑えられなくなり、何をしたらいいのかと悩みましたね。そんなときに、高校・大学時代の友人に『目的を探すために日本を飛び出してもいいんじゃないか?』と助言され、目的探しのために1997年、25歳で会社を退職。その友人が暮らすニューヨークへ行き、彼らが発行する日本人向けフリーペーパーの編集作業を手伝うことにしました。ニューヨーク中を奔走して街の出来事を紹介するコラムを書いたり、クラシファイド広告(案内広告)を作成したりすることは、今までに経験したことのない楽しさでしたね。おかげで、僕が探していたのは編集の仕事だったんだと気づきました」

 渡米から1年後の1998年末、野村さんは持ち金が底をついたために日本へ帰国。日本でも今度は自分で街に根づいたフリーペーパーを作りたいと考えたが、まずは編集者としてきちんとした経験を積もうと決意し、28歳にして出版社への転職活動を開始。3カ月間に約20社の出版社・編集プロダクションへ書類を送付した。

「最初は転職活動について何の知識もなかったので、今までの職務経歴をただ書いた書類を送りまくったんです。約20社に書類を送った結果、面接試験に進めたのは3社でした。ただ、書類選考の通過が3社だけというのは自身としては不本意だったので、書類の問題点を考え直しました。それまでは市販の職務経歴書にただ経歴を書き込んでいましたが、転職活動の次のステップである面接にはWordで自作した職務経歴書を新たに持ち込んで臨みました。職務経歴書を作る際に工夫したのは、一目で『職歴を生かしてこんなことができます』ということが分かるようにしたこと。その結果、1社から内定をいただき、編集プロダクションの正社員として採用されることになりました。ここの社長さんも28歳から本格的に編集の仕事を始めたというので、とても親しみを感じました」

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