転職経験あり！　仕事人たちのストーリー 第9回

ユニークな職務経歴書で勝負！ 塾講師、結婚後の再就職、さまざまなキャリアを経て天職Web制作へ

自分の長所と短所を追求することが
個性的なアピール方法を生み出した

　茂木さんが、内定を得た4社のうちオムロン エンタテインメントを選んだのは、メーカー系列の会社ながら分社化したばかりでベンチャー気質あふれる社風だったからだという。また、中高生をターゲットにした携帯電話向けサイトを次々に企画・制作する業務内容は、塾講師に始まった彼女の職務経験を新たなコンテンツ作りに生かせる魅力的なものだった。

「公募・懸賞サイトを作っていたとき、他社のサイトを見て『世の中にはいろいろな携帯電話向けサイトがあるなあ』『このサイトなら、こんな楽しい企画ができるかな？』と思うことがありました。そうした思いを、今は自分の企画に投影できるので楽しいですね。Web制作の現場にいると、直接ユーザーの意見を聞く機会はあまりありませんが、コンテンツの利用状況などを通じてユーザーの反応を体感することはできます。ユーザーの楽しみや使い勝手を考えて作ったコンテンツに、好反応があったときはうれしいですね。また、システム開発チームの方と協力して、新しいシステムを使ったコンテンツを作ったときは『私が新しい仕組みを作る仕事に携わっている』と感動しました」

　茂木さんは“自分がしたい仕事”が見つかるまで、長い年月を要した。だが目標が定まった後は「これまでの職務経験をどう生かせるのか」をアピールすることで、年齢やIT業界での経験の乏しさというハンデを克服した。自分をアピールするためのベストな方法は何か、口下手を克服するにはどうしたらいいのか、得意なことを転職活動にも生かせないものか、それらを追求した結果がフローチャート方の職務経歴書という個性的で印象に残るアピール方法になった。

「たとえ畑違いのキャリアであっても、すべてこれからの業務に生かせるものです。自分がしたい仕事を探すのはもちろん、自分の長所と短所をよく把握しておくことも、転職成功のためには欠かせません。長所を仕事でどう生かそうと考えているのか、短所を補う形で長所を生かせる判断能力があるのか、そうしたことを企業は書類や面接で見ているはずですよ」

■取材協力

オムロン エンタテインメント株式会社